2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

冷えきった週末 (創元推理文庫)(ヒラリー・ウォー/創元推理文庫)★★★

手持ちのウォー作品は全部読んだとばかり思ってたけど、1冊だけ埋もれてた。 2月2日の深夜、名士たちのパーティから一人の女性が姿を消し、翌朝、死体となって発見された。同時にプレイボーイの富豪が妻を残して失踪。二人を結ぶものは? もつれあう愛憎と打…

……02/2006

計33冊。 * 冷えきった週末(ヒラリー・ウォー/創元推理文庫)★★★ * 七つの黒い夢(乙一・恩田陸他/新潮文庫)★★★★ * あたしのマブイ見ませんでしたか(池永永一/角川文庫)★★★★ * 落語娘(永田俊也/講談社)★★★★ * 恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう…

あたしのマブイ見ませんでしたか (角川文庫)(池永永一/角川文庫)★★★★

著者初(現在のところ唯一)の短編集。これにて池上作品コンプリート! この人は長いのも短いのも中くらいのも、上手いこと書くね。 どれもいいんだけど、一番好きだったのは「サトウキビの森」。一年前に出会ったナイチャー(日本人)の青年との再会のため…

七つの黒い夢 (新潮文庫)(乙一・恩田陸他/新潮文庫)★★★★

ダークファンタジーのアンソロジー。著者は、乙一、恩田陸、北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩井志麻子、という豪華ラインナップ。 コレ系の短編ならこの人の右に出る者はいないかもしれない乙一「この子の絵は未完成」。乙一らしい作品、としかいいよ…

落語娘(永田俊也/講談社)★★★★

この人の作品読むのは初めて。 呪われた噺に挑む異端の師匠と女前座。 落語を愛する人々の物語 中学生時代、伯父に連れられ初めて観た落語にすっかりハマった香須美は、大学卒業後、落語の世界に飛び込むが、そこは今なお完全なる男社会。セクハラと嫌みに耐…

あさのあつこの『バッテリー』が映画化!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060225-00000011-sph-ent かわいい男の子がたくさん出てくるといいですねぇ。少なくとも青波だけは神木隆之介くんクラスの可愛い子であってほしい。おじいちゃん役には原田芳雄を希望!

恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (ブルームブックス)(角田光代/ソニー・マガジンズ)★★★★

角田光代の最新エッセイ。この人のエッセイは結構好きだ。 今回のは息抜きに読むのにぴったりなかんじ。仕事が詰まって来てるのでちょうど良かったです。

キタイ(吉来駿作/幻冬舎)★★★

第6回ホラーサスペンス大賞の大賞受賞作。第6回なのに、今年でこの賞はなくなるらしい。これまでの受賞者の顔ぶれを見ると、とくに初期のあたりの受賞者は結構活躍してる。でも受賞作自体はヒットしてない。しかも賞金は1000万円!…しょうがないか。 これ…

世界はおわらない(ジェラルディン・マコックラン/金原瑞人+段木ちひろ・訳/主婦の友社)★★★★★

久々にジャケ買い♪ ここで出る画像は中表紙でこれももちろんいいんだけど、外表紙というか箱のデザインが素敵なんだよね。まったく前評判聞かずに(というか作者も知らない)、装丁だけで買ってしまうのは久しぶりです。ブックデザイン BY BUFFALO.GYM(永松…

沖で待つ(絲山秋子/文芸春秋)★★★★★

待ちくたびれましたよ…芥川受賞作のこの単行本化! 受賞作で表題作でもある「沖で待つ」が一挙掲載された今月の文芸春秋を買おうか買うまいかじりじりしながら、なんとか持ちこたえました。 ちなみに選評は立ち読みしたんだけど、石原慎太郎のアレは一体なん…

目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)(星野智幸/新潮文庫)★★★★★

自分のもとを去った恋人との想い出に生きる女・糖子、自分だけの世界に閉じこもる糖子の息子・蜜生、そんな親子を居候させる無害そうな男・丸越さん。その3人の住む家に、犯罪を犯した青年・ヒヨヒトとその恋人・あなが転がり込む。赤土、数えきれないすすき…

Sweet Blue Age(角川書店)★★★

有川浩、角田光代、坂木司、桜庭一樹、日向蓬、三羽省吾、森見登美彦…どうですかこの勇気あるラインナップ! 何気に角田光代を滑り込ませてるのがちょっと笑えます。ま、わたしは有川浩と桜庭一樹だけで一応買ってたとは思いますけど。 とりあえずの衝撃は有…

ぼくのキャノン(池上永一/文芸春秋)★★★★★

沖縄の離島のある小さな村が舞台。村を見下ろす高台にあるキャノン砲をあがめる不思議な習慣があり、潤沢な資金でもってキャノンを祀る巫女・マカトオバァが村を実質的に支配している村だ。キャノン様とはいったい何なのか。なぜオバァは開発を頑に拒むのか…

幻夜(東野圭吾/集英社)★★★★☆

もうひとつの「白夜行」ともいうべき作品でしょうか。 ある事件をきっかけに深く結びついた男と女。男は人生を掛けて完璧な裏舞台を整え、女は表舞台を駆け上る。この基本的な骨組みは同じ。まったく異なるのが、物語の構造だ。「白夜行」では裏舞台が一切描…

同姓同名小説(松尾スズキ/ロッキング・オン)★★★★★

何だろこれ? 小説…だよね。いや間違いなくフィクションなんだけれどさ。すべての短編に現実の芸能人が登場しているんだけども、その芸能人への鋭い視線はまるでナンシー関のよう。芸能人ツッコミ小説という新しいジャンルか…? とにかく笑える。だって取り…

待ちうける影 (創元推理文庫)(ヒラリー・ウォー/法村里絵・訳/創元推理文庫)★★★★

これで創元推理文庫のヒラリー・ウォーの作品は全部読んだな…とアマゾンで調べてみたら、この人の作品は創元からしか出てないじゃないの!! いやでもさらに調べるとハヤカワとかからも出てるみたいだな…手に入らないってことか? 出たら必ず買うから、頑張…

リンさんの小さな子(フィリップ・クローデル/高橋啓・訳/みすず書房)★★★★★

戦争によって故郷を追われ難民となった老人・リンさん。彼の腕の中にはいつも、生まれて間もない赤ん坊の姿があった。この赤ん坊を守る。それだけのためにリンさんは、知り合いもいない、言葉も通じない異国で懸命に生きようとする。そんなリンさんにもうひ…

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語(高橋源一郎/朝日新聞社)★★★★★

文芸誌とかでよく顔も名前も見るんだけど、この人の作品読むのは実は初めてだ。 これは「性交と恋愛にまつわるいくつかの物語」だ。 一番始めに収録されてる「キムラサクヤの『秘かな欲望』、マツシマナナヨの『秘かな願望』」がインパクトあって引きずり込…

白夜行 (集英社文庫)(東野圭吾/集英社文庫)★★★★★

これは確実に読んだ、と思ってたのに読んでなかった。それに気付いたのは今放映されてるドラマをちらっと見たせいだ。 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑…

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA) サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)(新城カズマ/ハヤカワ文庫)★★★☆

『SFが読みたい!〈2006年版〉発表!ベストSF2005国内篇・海外篇』の国内編5位の作品ですね。この人のも読むのは初めて。ラノベとSFのちょうど中間にあるような(気持ちラノベ寄り?)印象を受けた作品だった。ほんのちょっとだけ時空を飛ぶことが出来る少女を…

肝、焼ける(朝倉かすみ/講談社)★★★★★

発売当時(去年の11月)に購入したのに、読むのをすっかり忘れておりました。読み終わった今、これを放置してしまっていた自分を多少どつきたい気持ちになってます。そのくらい、久々に見つけたいい恋愛小説だった。収録された5つの作品のどれもいいのだけ…

老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))(小川一水/ハヤカワ文庫)★★★★

『SFが読みたい!〈2006年版〉発表!ベストSF2005国内篇・海外篇』の国内編で一位だったこの作品に挑戦。この作家の作品を読むこと自体初めてです。 最近翻訳SFばかりかじってたせいか、久々に国内のSFを読むと「読みやすいなぁ〜」とホッとしてしまう。ま、最…

ひなた(吉田修一/光文社)★★★★

初期の作品は読んでたものの、最近ご無沙汰だった吉田修一の新刊。久々に読んで思ったけど、やっぱ上手いねこの人。素人劇団が唯一の趣味である信用金庫職員の浩一、ファッション雑誌の編集として毎日多忙な日々を送る浩一の妻・桂子、浩一の弟で将来に迷う…

クローズド・ノート(雫井修介/角川書店)★☆

この人の作品はこれまで全部読んでるんだよね。『犯人に告ぐ』を頂点として、なかなか読み応えのあるミステリを書く人だ。だけどこれ恋愛小説らしいし、帯の「携帯サイトでの連載時から感動の声が続々!」という文句が、また不安をあおる…。結論から言いまし…

{Movie&DVD]フライ,ダディ,フライ 特別限定版 (初回限定生産) [DVD]

岡田くん…かっこよすぎだろう。アップになるたびに「かっこええ〜!」ともだえるばかりで、映画全体を通してきちんと見れてたか微妙なところですが…。 でも冷静に考えると、岡田准一にこんな格好いい役やらせちゃダメなんだよね。男前に男前の役やらせてどう…

目には目を (創元推理文庫 140-5)(カトリーヌ・アルレー/創元推理文庫)★★★

去年読んだ「わらの女」がすごく面白かったのにそのまま忘れてて、最近行った書店でたまたま発見して購入。 破産寸前の青年実業家、若く美しいその妻、彼女に恋する中年資産家とオールドミスの姉。四人の男女の頭の中にはそれぞれの思惑があり、それが運命の…

雑誌いろいろ

SFが読みたい!〈2006年版〉発表!ベストSF2005国内篇・海外篇 SFをもっと読もう!というのが去年の目標だったわけなんだけど、まぁそう上手くはいきませんわね。ここで挙げられたベストSF2005のラインナップのなかで国内編は『シャングリ・ラ』(池上永一)『…

どうで死ぬ身の一踊り(西村賢太/講談社)★★★★

こないだの芥川賞の候補作のひとつですね。メッタ斬りコンビが二人とも気に入ってたことに加え、さらに今月の本の雑誌でトヨザキ社長が絶賛してるコラムを読んだら読みたくなったので挑戦してみました。 で、これがおどろいた。この作品がもつインパクトと濃…

図書館戦争(有川浩/メディアワークス)★★★★★

来ました有川浩の最新刊!期待を裏切らないよ、この人は。 公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代、超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ! 何せ自由を守るため…

雪屋のロッスさん (ダ・ヴィンチブックス)(いしいしんじ/メディアファクトリー)★★★★

いしいしんじの最新短編集です。 30編にわたるそれぞれのタイトルをいくつか紹介しましょうか。 ・なぞタクシーのヤリ・ヘンムレンさん ・棺桶セールスマンのスミッツ氏 ・風呂屋の島田夫妻 ・ボクシング選手のフェリペ・マグヌス ・似顔絵描きのローばあさ…