あたしのマブイ見ませんでしたか (角川文庫)(池永永一/角川文庫)★★★★

あたしのマブイ見ませんでしたか (角川文庫)
著者初(現在のところ唯一)の短編集。これにて池上作品コンプリート!
この人は長いのも短いのも中くらいのも、上手いこと書くね。
どれもいいんだけど、一番好きだったのは「サトウキビの森」。一年前に出会ったナイチャー(日本人)の青年との再会のためサトウキビ畑で待つ少女と、不幸を予見する不思議なオバァとの小さな交流が描かれる。おかしくて切なくて、池永作品のいいところどりをしたような作品だった。
どの短編も根底のところでとても優しい。癒される小説でした。