2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

……11/2005

著者略歴(ジョン・コラピント)★★★★ つきのふね(森絵都)★★★★ そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド(豊崎由美)★★★★★ 耳そぎ饅頭(町田康)★★★ 妄想シャーマンタンク(ゲッツ板谷)★★ クラッシュ・ブレイズ パンドラの檻(茅田砂胡)★★★…

著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)(ジョン・コラピント/ハヤカワ文庫)

全く知らないこの本を買う気になったのは、帯に北上次郎とスティーブン・キングのコメントがあったせい。帯のコメントに乗せる名前としてはキングより北上次郎の方がよほど信頼できるが。 作家になることを夢見る青年キャルは、ある日ルームメイトが書いた原…

つきのふね (角川文庫)(森絵都/角川文庫)

この人の作品読むのは久しぶりかな。最近の作品はほとんど読んでるんだけど、昔の作品は未読のものが多い。文庫化されてたのを機に購入。 双子のようにいつもそばにいる仲良しのさくらと梨利。ところがある事件を機に二人の関係は壊れてしまう。智さんという…

そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド(豊崎由美/アスペクト)

ほぼ毎日同じ時間に出没しほぼ毎日何かを購入し金額が2000円を超えると領収書を求めるわたしが、今日も同じ書店でこれをレジに出したとき一瞬含みのある視線を感じたのは気のせいだろう。「おまえがな」という心の声が聞こえたのも気のせいだろう。きっと気…

妄想シャーマンタンク(ゲッツ板谷/ダイヤモンド社)

ゲッツ板谷は変人を呼び寄せる。だいたいゲッツ板谷自身も変だ。そんな変態パーティで仲間と同じ視点を持ちながら、一方で自分を含めた仲間たちの奇行を一歩引いた視点から見ることが出来る。変人を呼び寄せてしまうのは本能で、こんな爆笑コラムを書けるの…

耳そぎ饅頭 (講談社文庫)(町田康/講談社文庫)

エッセイシリーズ第三弾。 「へらへらぼっちゃん」や「つるつるの壷」に比べるとイマイチ。まったく同じテイストなのだけど、ちょっと見え透いてる感じがした。エッセイに慣れてきたころなのかちょっと小器用さが目立つ。とはいえこれまで読んだ彼のエッセイ…

クラッシュ・ブレイズ パンドラの檻 (C・NOVELSファンタジア)(茅田砂胡/中央公論新社)<36>

来ました<クラッシュ・ブレイズ>シリーズ最新刊! 今回の主人公は海賊ことケリー、そして無理矢理巻き込まれたレティシアとヴァンツァー。意外な三人組だが実はある共通点で結ばれていたのね。 なぜか強姦罪の濡れ衣を着せられたケリー。どうやら単純な事…

バスジャック(三崎亜記/集英社)<35>

異例のスマッシュヒットとなった著者のデビュー作「となり町戦争」を読んだとき、変な話を書く人だなぁ、でも面白いなぁ、と思って二作目を楽しみにしてたんだけど、その二作目である本書を読んで確信した。三崎亜記は間違いなく、変な話を紡ぐ作家なのだ。 …

愚か者の祈り (創元推理文庫)(ヒラリー・ウォー/創元推理文庫)<34>

コネチカット州の小さな町で、顔を砕かれた若い女性の死体が発見された。頭蓋骨をもとに復元された生前の容貌が導きだしたのは、女優になる夢を抱いて故郷を出た少女が惨殺されるまでの5年間の空白だった。その間に何が? そして彼女を殺したのは? ダナハ…

気になるウワサ〜デルフィニア戦記外伝来春発売!?

今日ぶらぶらと本屋を徘徊してたところ、文庫版の新刊コーナーで茅田砂胡の『デルフィニア戦記』が出てたので「おぉ文庫版でも最終巻か」と手に取ってみたところ後ろの帯に、デルフィニア戦記外伝が2006年3月に発売、と書かれていたのでちょっと驚く。今さら…

リアル 5 (ヤングジャンプコミックス)(井上雄彦/集英社)<33>

漫画については感想を書いたり書かなかったり曖昧にしてたんだけど、今月から全部書いちゃうことにします。月内に読んだ作品にもカウントしちゃえ。 売り上げに恥じないクオリティーの作品を出し続ける井上雄彦。「スラムダンク」であまりの人気を得ながらも…

幸福ロケット(山本幸久/ポプラ社)<32>

ほぼ日参してるマイ本屋・浜松町の談はここ1〜2ヶ月、サイン本に力を入れている気がする。本屋としては立地もいいし売り場面積も広いので実際にサイン会が行われることも多いが、基本的にビジネスマン狙いで「さおだけ屋はなぜ〜」の著者とか山本一刀とか…

薄紅天女 (トクマ・ノベルズ Edge)(荻原規子/徳間書店)<31>

ついにきてしまいました。勾玉三部作の完結編です。 「東から勾玉を持った天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに、胸を痛める皇女苑上。だが「東」の国坂東で、いにしえから伝わる明の勾玉を輝かせたのは、蝦夷の巫女の血を引く少年阿高…

今年のボジョレーヌーヴォーは…

解禁から二日連続で飲んでるが、今年のボジョレーはうまい。酸味が少なく新酒とは思えない豊かな味。その年の気候によってこんなにも味が変わるとは驚きだ。<ボジョレーの帝王>と呼ばれるジョルジュ・デュブッフ氏が「これまでで一番すばらしい」と絶賛す…

報復ふたたび (ヴィレッジブックス)(ジリアン・ホフマン/ヴィレッジブックス)<30>

上記の「復讐」を読み終えた後、面白い本読んだなぁと余韻に浸りながら本屋をぶらついてたら、翻訳文庫の平台にこの本が…!! まったく知らなかったので嬉しいオドロキで、そりゃ速攻で読んじゃうでしょう。 前作から3年、C・Jは変わらず検事として多忙な日々…

報復 (ヴィレッジブックス)(ジリアン・ホフマン/ヴィレッジブックス)<29>

先日買った「IN★POCKET」文庫翻訳ミステリーベストの読者部門で第8位だったこの作品に興味がわいたので買ってみた。デビュー作。 マイアミで若く美しいブロンドの女性ばかりを狙った凶悪な連続殺人事件が起こっていた。レンプされたうえナイフによって心臓…

防風林 (講談社文庫)(永井するみ/講談社文庫)<28>

18歳で札幌から東京に出てきて、大学を卒業し職も得て家族もできた…そんな順風満帆だったはずの周治の人生が変わってしまった。勤めていた会社が倒産したのである。東京での再就職も可能であったが、夫と死別した母親が入院中という事情も鑑みて、周治は故郷…

In・pocket―月刊〈文庫情報誌〉 (2005年11月号)(講談社)

特集が「2005年文庫翻訳ミステリーベスト10」なので買ってみた。 総合のベスト5は「暗く聖なる夜」(マイクル・コナリー)「痕跡」(パトリシア・コーンウェル)「耽溺者」(グレッグ・ルッカ)「獣たちの楽園」(ジェフリー・ディーヴァー)「斬首人の復讐…

虹色にランドスケープ(熊谷達也/文芸春秋)<27>

バイクに惚れ込んだ数人の男女のままならない人生を切り取った、せつない連作短編集。 熊谷達也といえば、山とか熊とか海とかシャチとか大自然の恐ろしさを相手にしたダイナミックかつ静謐な小説の書き手としてのイメージが強く、看板でもある「自然」がまっ…

魚喃キリコ短編集(魚喃キリコ/ 飛鳥新社)<26>

恋の断片。せつない。たまらん。やっぱこの人の漫画好きだな。「ストロベリー〜」で恋の訪れをけなげに待っていた女の子が恋に出会って、読み手としてはなんかハッピーです。

つるつるの壷(町田康/講談社文庫)<25>

「へらへらぼっちゃん」に続くエッセイ第二弾。 パンクについてもしくは自分の几帳面さについてもしくは貧乏と金持ちの違いについていろいろ考えてたりしてると、デビュー作の「くっすん大黒」が二つの賞を受賞、でもやっぱりTVで時代劇を見たり昼酒したりし…

凸凹デイズ(山本幸久/文芸春秋)<24>

この人の作品読むのははじめて。前作の「はなうた日和」が評判よかったのは知ってるんだけど、なんとなく読まずじまいだったのだ。それにしても読み終わって改めて作者名を見て気付いたんだけど、男の人なんだね。いや字面は思いっきり男なんだけれども。装…

暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)(久世番子/新書館)<23>

書店員兼マンガ家の著者による、本屋の裏側を描いたエッセイコミック。いつも行く本屋のレジ横に並べられてたのでなんとなく買ってしまった。 くすくす笑ってさらりと読めるものの、中身は想像の範囲内だったかな。

毎日かあさん カニ母編 毎日かあさん2 お入学編(西原理恵子/毎日新聞社)<21-22>

ダンナ(のちに離婚)は酒乱、長男は危険なまでにアホ、長女は3歳にして嘘泣きをマスターしたお姫様……サイバラ一家のはちゃめちゃな毎日をコミカルに描いた爆笑エッセイ漫画。 9割笑って、1割泣いた。笑えるのも泣けるのも、おっきな愛情が物語からあふれ…

女の子ものがたり 営業ものがたり(西原理恵子/小学館)<19-20>

まず子供の頃から上京する日までの友達との日々を描いた「女の子ものがたり」。 気の小さい主人公の「なっちゃん」、怖い母親の影響か毒舌冴え渡る「みさちゃん」、親に放っておかれていつも小汚い「きいちゃん」。小学校に入っても、ヤンキーになっても、ち…

夜市(恒川光太郎/角川書店)<18>

本年度に本ホラー大賞受賞作。 大学生のいずみは、友人である裕司に「夜市に行かないか」と誘われる。連れ立って向かった先は、違う世界の「夜市」だった…。そこはあらゆるものが取引される謎の世界。実は裕司は子供の頃一度迷い込んだことがあり、そのとき…

上京ものがたり(西原理恵子/小学館)<17>

上記の「バカの瞬発力」を買うときにつながりとして一緒に買ってきた。この人の漫画読んだことないのだけど、少し前にid:mike-catさんのところで紹介されてたので気になってたし。 「なにか」になるために田舎から上京し、東村山からはじまった東京生活。歌…

バカの瞬発力 (角川文庫)(ゲッツ板谷/角川文庫)<16>

「ワルボロ」が予想以上に面白かったので、彼のコラムもぜひ読んでみたいと思いこれを買ってきたのだけど、読み始めて気付いたがこれ対談集でした。しかししかし…… めっちゃめちゃ面白い!! 本読んでこんなに笑ったのは町田康の「くっすん大黒」読んで以来か…

ワルボロ(ゲッツ板谷/幻冬社)<15>

名前だけは知ってたが、この人の著作を読むのははじめて。この作品は著者初の小説だ。といってもかなり自伝的な色合いが強いので、これまでの彼のコラムのファンもすっと入っていける世界だろう。しかしというかやっぱりというか「小説」と名乗っているにも…

あなたのことが、いちばんだいじ(盛田隆二/作品社)<14>

幻のデビュー作を含む著者初の短編集。著者あとがきによると高校時代に書いた「糠星」から最新作「折り紙のように」まではなんと34年もの月日が流れてるそうで、さすがにひとつの短編集としてはあまりにもばらばらな印象。 やはりというか当たり前だが近年の…