薄紅天女 (トクマ・ノベルズ Edge)(荻原規子/徳間書店)<31>

薄紅天女 (トクマ・ノベルズ Edge)
ついにきてしまいました。勾玉三部作の完結編です。

「東から勾玉を持った天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに、胸を痛める皇女苑上。だが「東」の国坂東で、いにしえから伝わる明の勾玉を輝かせたのは、蝦夷の巫女の血を引く少年阿高だった。輝の末裔の姫と闇の末裔の少年が出会ったとき、神代から伝わる最後の「力」は? 長岡京の時代を舞台に展開する「最後の勾玉」の物語。

あまりに強い力をもって悩みながらも自分の使命を果たそうとする少年、兄弟を守るため自ら少年に扮し真実を探し出そうとする姫。伝説をもとにスリリングな展開で読ませる、いい完結編だったと思う。ラストもまたいいのよ。身分違いは重々承知の上、城から姫を盗みだす男! この設定に萌えない女子はいないって。前二作に比べると主人公の片割れである少女が弱い存在にかんじられるが、乙女視線ではこれもアリですね。後味もいいし。今作のお気に入りキャラはやっぱ、空海をモデルにしたらしい無空。飄々とした雰囲気に惹かれます。
さて、勾玉三部作は読んじゃったし、文庫で読んでる「西の善き魔女」も来月で完結だし、次は何を読もう。というかこの二つのシリーズ以外ほとんど知らないのだけど…。最新刊の「風神秘抄」とかにチャレンジしてみるか?