子育ての哲学: 主体的に生きる力を育む (ちくま新書)(山竹伸二)

子育ての哲学: 主体的に生きる力を育む (ちくま新書)

子育ての哲学: 主体的に生きる力を育む (ちくま新書)

子供を社会に導くにあたっての<一般的他者の視点>についての話が興味深い。
<一般的他者の視点>を獲得することはいずれ思春期などで経験する、極度に狭い人間関係での<空虚な承認ゲーム>から脱却し、自分の行動に自信を持つ足がかりになる。それを教えるためには第三者を引き合いに出すのが有効。「お父さんが許さないよ」「先生がだめって言ったでしょ」等。なぜなら親子二者間で交わされたルールは流動的で絶対性がないから。第三者を介することで子供にルールや価値の普遍性に気付かせる。
また成長する中で多様な価値観に出会い、自身の価値観を疑い、ときに修正する柔軟性を持つには、幼児期に<ありのままの自分>が承認(子供の感情を感じ取り、共感的な態度を示すこと)された安心感が重要。

子育ての悩みって感覚的にものすごく狭い場所でもがいてる感じがあるので、たまにはこうやってちょっと長いスパンで見てみるのはいいなと思った。