2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

緋色の記憶 (文春文庫)(トマス・H・クック/文春文庫)<13>

エドガー賞受賞作。 1920年代…とある田舎村の男子校・チャタム校に、美しい女性が美術教師としてやってきた。その女性、ミス・チャニングはやがて妻子のある同僚の教師・リードと恋に落ちる。二人の恋に未来などあるはずもない土地柄でもあり時代でもあった…

へらへらぼっちゃん (講談社文庫)(町田康/講談社文庫)<12>

こないだ読んだ最新随筆「東京飄然」が面白かったので、過去のにも挑戦。ちなみにこれが初エッセーらしい。 タイトルからしてふざけてる。相当ふざけてないとこのタイトルは出てこないだろう。で中身はといと、もちろんあの町田節ががんがん効いてます。「旅…

探偵倶楽部 (角川文庫)(東野圭吾/角川文庫)<11>

金持ち専用の会員制調査機関<探偵倶楽部>。冷静かつ優秀な彼らは、狡猾に計画された事件を次々と鮮やかに解き明かすー。 どれもひねりの利いた謎だが、ライトな感触で息抜きに読むのにぴったり。

闇に問いかける男 (文春文庫)(トマス・H・クック/文春文庫)<10>

公園で少女が殺害された。すぐに浮浪者の若い男が逮捕されるが、その男は頑として殺害を認めない。確実な物証が挙がらぬまま、勾留期限が迫っていく。釈放までおそよ10時間、3人の刑事が夜を徹してそれぞれ最後の捜査に挑む。 幾人もの関係者の死によって真…

自殺同盟軍(鈴木剛介/角川書店)<9>

タイトルにちょっと心惹かれて購入。まだ2作目みたいですね。 なんとはなしに自殺願望を持つ主人公ケイスケ。友人の紹介ではじめた老人介護センターの仕事場で、同じく自殺願望を持つ女性「ちなっつぁん」に出会う。意気投合した二人は「自殺同盟軍」を結成…

蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)(トマス・H・クック/文春文庫)<8>

月初めはなぜか翻訳モノが読みたくなる。11月号の本の雑誌で紹介されてたのを読んで面白そうだったので初挑戦。 余命短い父を看取るため、二十数年ぶりに故郷の田舎町へ戻ってきたロイ。かつて弟が自殺した事件の真相を探るうち、一生を不機嫌に過した父の秘…

夏のロケット(川端裕人/文芸春秋)<7>

「みんな一緒にバギーに乗って」を読んで面白かったのでデビュー作である本書をブックオフで購入。それが偶然にもid:seiitiさんのオススメでもあり、期待して取りかかる。 タイトルからしてちょっと前に読んだ「2005年のロケットボーイズ」みたいなやつかな…

暗殺者 (講談社文庫)(グレッグ・ルッカ/講談社文庫)<6>

ぶつぶつ文句いいながら、ついにシリーズ三作目までやってきましたよ。 巨額の煙草訴訟でメーカーに大打撃も与える重要証人を亡き者にすべく、世界でも超一流の暗殺者が雇われた。ボディーガードのアティカスは証人警護の依頼を受けるが、正体不明の殺人者が…

わたしが愛した愚か者 Dojo-道場II (Dojo-道場 (2))(永瀬隼介/文芸春秋)<5>

昨日読んだものの続編。 前作の流れによって結局、空手道場を引き継ぐことになってしまった主人公・藤堂。図々しさは筋金入りの経営コンサルタント・富永、生意気だが腕はピカイチの後輩・健一、リサーチ力で藤堂を助ける勝ち気な恋人・悠子など個性的なキャ…

マルコの夢(栗田有起/集英社)<4>

来ました栗田有起の新刊! 姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。 三ツ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。 ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、 わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。 幻のマルコ、は…

エコノミカル・パレス (講談社文庫)(角田光代/講談社文庫)<3>

これ間違いなく読んだことあるんだけど、なぜか今は手もとにないんで、文庫化を機に買って再読してみました。 34歳フリーター、「タマシイのない仕事はしたくない」と、年下の同棲相手は失業中。エアコンは壊れ、生活費の負担は増えていく。どんづまりの生活…

Dojo - 道場(永瀬隼介/文芸春秋)<2>

この人の作品を読むのは初めてです。 勤めていた中堅広告代理店からリストラ勧告され、素直に退職した主人公・藤堂、27歳。就職活動をしてたおり、空手道場の先輩から連絡が入ったー道場生の面倒をみてくれないかーと。すっかり空手から身を引いた立場ではあ…

ニート(絲山秋子/角川書店)<1>

やっと最新刊まで追い付きました。読むまで知らなかったんだけど、短編集です。 「ニート」ってタイトルは、ここまででかでかと書かれるとそのネガティブなイメージが胸に突き刺さる。そして突き刺さる棘はこの作品全体を貫ぬく。「ニート」に代表される現代…