つきのふね (角川文庫)(森絵都/角川文庫)

つきのふね (角川文庫)
この人の作品読むのは久しぶりかな。最近の作品はほとんど読んでるんだけど、昔の作品は未読のものが多い。文庫化されてたのを機に購入。
双子のようにいつもそばにいる仲良しのさくらと梨利。ところがある事件を機に二人の関係は壊れてしまう。智さんという心のオアシスに閉じこもるさくら、どんどん不良化していく梨利。梨利のことが好きでいつも二人を追いかけ回していた同級生・勝田は、二人を仲直りさせようとさくらにつきまとうが…。
これ以上傷つくのが怖くて、停滞することを選んでしまったさくら、梨利、そして智さんー。智さんの心が壊れはじめるあたりから物語のテンポが徐々に早くなり、感動のラストシーンまでは一気読みだ。おさえたトーンで優しく描かれる他の森作品とはちょっと印象が違うが、すごく面白かった。