目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)(星野智幸/新潮文庫)★★★★★

目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)
自分のもとを去った恋人との想い出に生きる女・糖子、自分だけの世界に閉じこもる糖子の息子・蜜生、そんな親子を居候させる無害そうな男・丸越さん。その3人の住む家に、犯罪を犯した青年・ヒヨヒトとその恋人・あなが転がり込む。赤土、数えきれないすすき、ペンネ・アラビアータ、サルサの音楽、そしてうだるような熱気……どこかたががはずれたその家で、「疑似家族」5人が過ごした数日間が、ゆったりと濃密に描かれる。

言葉によって体が絡めとられるような気がする。その何とも言えない感覚を、角田光代が解説で的確に書いてくれてるんだなぁ。角田光代っていい解説書くよね。少なくともわたしにとっては、自分では言葉にできない微妙なところを救い上げてくれてる気がする。というわけでそちらに下駄を預けて。

とにかく、星野智幸の小説は気持ちいい!とだけ主張しておこう。