{Movie&DVD]フライ,ダディ,フライ 特別限定版 (初回限定生産) [DVD]

フライ,ダディ,フライ 特別限定版 (初回限定生産) [DVD]
岡田くん…かっこよすぎだろう。アップになるたびに「かっこええ〜!」ともだえるばかりで、映画全体を通してきちんと見れてたか微妙なところですが…。
でも冷静に考えると、岡田准一にこんな格好いい役やらせちゃダメなんだよね。男前に男前の役やらせてどうすんだっていう話ですよ。つまんないじゃん。南方の役だったらめちゃめちゃハマると思うんだよね。ただ岡田くんを南方にまわして朴役をやれる同世代の役者がいないっていうのが問題なわけなんだけれども。岡田准一って演技上手いし存在感あるとは思う。でも顔の良さが災いしてか、かっこいい役やっちゃうとハマりすぎてソツがなくて、ちょっとまわりから浮いちゃうんだよね。
しかもこの作品、かなり原作に忠実で(というか原作者が脚本までやってるから当然だけど)歯の浮くようなセリフが目白押しなわけ。役者の上手さとか作品全体の勢いとかで相殺されてたけど、でもさすがに「翼があればな…どこへでも飛んでいけるのに」(by岡田准一,at木の上)は爆笑してしまいましたわ。そこはさすがに無理だから! どっから探し出してきたらそんな陳腐なセリフが出てくるんだ!!
ま、そんなこんなで突っ込みどころはあるけど、ひとつの映画としてはなかなか良かったな。冒頭のモノクロームのあたりはちょっとテンポが遅くてイライラしたけど、それ以降は勢いで一気に観れる。ラストへ向けての高揚感は原作にかなり近いものがあったし。朴の「鷹の舞」を舞うシーンは、岡田くんが朴役を演じてくれて良かった!と思える一幕でしたね。ジャニーズで培われたであろうしなやかな動きが生きてました。あそこでヘボイ踊り見せられてたら興ざめだもの。
そして何よりの功労者は堤真一でしょう。ま、主人公だから当然だけど、上手いよねやっぱ。自分の役どころを完全にモノにしてるし、観ていて笑えるのも泣けるのもこの人の演技の上手さが光ってるからだと思う。とくにバスとの競争のシーンや、決戦前夜の娘のビデオを見てるシーンとかはかなりぐっと来ましたわ。
まーそんなわけで原作ファンの一人としてもなかなか満足な一作でした。あんまないよね、原作気に入ってそれから映像化されたものに満足できるっていうことは。岡田くんの朴役起用には多少文句言いたくなったけど、堤真一相手にあれほど存在感を出せる、しかも朴役としての凄みを出せる役者は同世代ではたしかに彼しかいないかも…と思える作品でした。岡田くん、今の映画界で引っ張りだこだしね…。