雑誌いろいろ

SFが読みたい!〈2006年版〉発表!ベストSF2005国内篇・海外篇
SFが読みたい!〈2006年版〉発表!ベストSF2005国内篇・海外篇
SFをもっと読もう!というのが去年の目標だったわけなんだけど、まぁそう上手くはいきませんわね。ここで挙げられたベストSF2005のラインナップのなかで国内編は『シャングリ・ラ』(池上永一)『現代SF1500冊』(大森望)『空の中』(有川浩)の3冊。海外編は『どんがらがん』(アヴラム・デイヴィッドソン)『宇宙舟歌』(R・A・ラファティ)『ネアンデルタール・パララックス』シリーズ(ロバート・J・ソウヤー)とこちらも3冊。ま。SF初心者にしてはがんばって読だほうだろう。
海外編1位の『ディアスポラ』(グレッグ・イーガン)は途中で挫折してはや数ヶ月…。我慢が足りなかったか。去年一位で同じ作者の『万物理論』も我慢して読み進めて、最後はすごく面白かったものなぁ。もう一度挑戦するべきかしらねぇ。幸いなことにこの雑誌に「『ディアスポラ』講義」という親切なコーナーがあるので、読んだところまでここでおさらいして続きを読んでみようかな。
国内編1位の『老ヴォールの惑星』(小川一美)、12位の『All You Need Is Kill』(桜坂洋)はぜひ読んでみたいなと思った。二人とも読んだことのない作家なので楽しみ。
この他では、最近わたしにとても愛されてる池上永一のインタビューが面白かった。インタビュアーの大森望氏と仲が良いようで。ホントにざっくばらんなかんじで笑えました。


STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 03月号
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 03月号
メインの特集が「00年代小説の読み方 今最も面白い小説150冊!」というわけで、買ってみました。
150冊中既読は36冊。思ったより少なかったなー。おまけの「最有効ブックガイド15」のほうは半分以上読んでたりして。読みたい本が増える一方なのもしょうがないわね…ふぅ。
「00年代デビューの重要作家10」として挙げられていたのは、伊坂幸太郎舞城王太郎西尾維新、綿谷りさ、中村航有川浩米澤穂信佐藤友哉金原ひとみ絲山秋子でした。まぁ、そんなものかな。個人的には桜庭一樹も入れてほしかったけど。
ただひとつの特集としてみると散漫な印象。<00年代>と名付ける縦の区切りの視点は「STUDIO VOICE」っぽくていいけど、今の時代はひとつのジャンル単体で語るのは難しいよね。他ジャンルとのつながりがあまりに密接だし、小説というジャンルの中ですらかなり細分化されてて。ま、でもその捉えどころないものをあえて総括することが、伝統あるこの雑誌ならではなんだろうな。
ま、何はともあれ小説好きには嬉しい企画ではありました。


本の雑誌 (2006-3)
本の雑誌 (2006-3)
<30周年のベスト30>シリーズ4回目の今回はトヨザキ社長が執筆。それがすごく面白かった。
大学時代にジョイスの『ユリシーズ』を初めて読んで、でもその面白さが全然わからなくって歯ぎしり。「打倒!ジョイス」とばかりにその面白さをわかるための読書にシフトチェンジしたとのこと。それ以降もわからない小説に出会っては「そこに山があるからさ」と言う登山家並に、その小説という山をがしがし登っていくのだ。
すごいなぁ。ひとりの読書人として尊敬してしまう。ただ単純にこの小説を理解したい!っていう個人的な欲望だけを基盤に、そこまで頑張れるのがすごい。
わたしは未だに快楽主義的読書から抜け出せてない。それどころか「楽しくなきゃ小説じゃない!」とばかりにエンタメ系読書路線を貫いてるわけで。でもね、難しい小説とかに挑戦するなら今がギリかな、とも思うわけなんですよ。年取ったら翻訳小説とかも辛くなるってうちの母親も言ってたし。ていうかすでに今わたしもがっつり気力を持って読書に挑む時間がなかなかなくて、忙しい合間でもガシガシ読めるようなエンタメ作品ばっかり読んでるわけで。でもだからこそ、20代のうちに難しいジャンルに挑戦してみたいなぁ…とふつふつと思わされたコラムでした。
ちなみにトヨザキ社長が挙げた30冊…1冊も読んだことありませんでした…。ちょっとくやしいぜ!