2005-10-17から1日間の記事一覧

クライム・マシン (晶文社ミステリ)(ジャック・リッチー/晶文社)<21>

この短編集を締めくくる解説はこの問いかけから始まる。 「ジャック・リッチーをご存知だろうか。」ー すいません、知りません。解説によれば、この作家は1950年代から80年代はじめにかけて350もの短編を書いた、短編のスペシャリストらしい。「ヒッチコック…

イッツ・オンリー・トーク(絲山秋子/文芸春秋)<20>

とても評判の高い新人作家だが、この人の作品を読むのは二冊目。実は最初に読んだ『袋小路の男』があまり好きではなかったのだ。上手いなとは思ったものの、主人公を振り回す男のキャラが嫌いで、なんとなく他の作品を読みそびれていた。でも気になるのでデ…

唇のあとに続くすべてのこと (光文社文庫)(永井するみ/光文社文庫)<19>

エリート商社マンの理解ある夫と9歳になる愛娘。自らは料理研究家として活躍する海城奈津、38歳。なんの不足もない平穏な日常を送るかに見えた彼女のもとへ、ある日、かつて勤務していた会社で不倫関係にあった上司が事故死したとの報せが入る。その通夜の席…