二人静(盛田隆二)

二人静

二人静

独身サラリーマンの周吾は認知症の症状がみられる父親を施設に預けることになった。気難しい父親は断固として施設での生活になじもうとしないが、担当ヘルパーのあかりには心を許し始め、それを知った周吾もあかりの健気さに心惹かれていく。一方のあかりには場面かん黙症という病気を抱えた娘がいた。そして周吾もあかりもそれぞれの事情に加え、簡単に恋に踏み出すことができない「過去」があった。

うーん……感想書き辛……。
人によって好き嫌いが別れるのかなぁ。わたしには読みながら最後まで、妙な「気持ち悪さ」がつきまとった。帯にある「真実の愛には、何ができるのか。」ってコピーも、何だろうなぁ。そもそもこの小説は愛の物語なのかしら? 周吾のあかりへの愛? 焦らずじっくりと待ちますよという立場キープで、こっそりあかりと元夫との問題にまで絡んでいくのが「本当の愛」? 見ようによっては周吾の言動はちょっと怖いんじゃない? そもそもあかりにとって周吾の存在は都合のいい男くらいのものじゃないの? 
それにこの手の小説としてはあり得ないくらいに人間関係の描き方がざっくりしすぎてないだろうか。あかりの娘である志歩と周吾があっさり仲良くなっちゃうとことか、周吾の両親の関係やあかりと元夫の関係も、紋切り型と言っては失礼かもしれないけど深みが感じられないんだよねぇ。
というわけで、うーん……なかんじでした。