砂の王国(荻原浩)

砂の王国(上)

砂の王国(上)

砂の王国(下)

砂の王国(下)

書店で目を引く派手な色の装丁と帯にあるあらすじを読み、これはもう今すぐ読みたい!と分厚い上下巻にもめげずに購入してえっちらおっちら持ち帰ってきてしまった。ハードカバー買うのは控えようと思ってるのになー。。。

段ボールハウスの設置場所を求めて
辿りついた公園で出会ったのは、
怪しい辻占い師と、若い美形のホームレス。
世間の端に追いやられた三人が手を組み、
究極の逆襲が始まる――すべては、これからだ。
驚愕のリアリティで描かれる
極貧の日々と宗教創設計画。
傑作小説の幕開け!

ね? おもしろそうでしょ?
で、どうだったかというと、うん、まあまあ!……かな。

なんというか、マジメなエンタメ小説だなーと。もうちょっとはっちゃけた展開があったり、いわゆる下克上小説としての「痛快」な感じがあっても良かったんじゃないかなあ。あ、帯に「驚愕のリアリティで描かれる」って書いてあるわ!……うん、そうね。想像できる範囲内でのリアリティは満載の小説だったような。新興宗教立ち上げたことないからわかんないけど、そういう状況で起こりそうだなと想像できるトラブルがそのまま次々と起こるので、ぶっちゃけ読んでて楽しい小説ではないんだよね。あー、宗教も大変そうだなーって。

荻原さんってこういう設定だと安全パイながらなかなか面白くてすかっとできる小説を書くような気がしていたので、最後までずっとロー&ビターだったのがちょっと意外かも。だけどもしこの作品の続編を書かれるなら、それはぜひ読みたい。このラスト、そこからの物語のがずっと面白そうだし、希望のみえる物語になりそうな気がするから。