不連続の世界(恩田陸)

不連続の世界

不連続の世界

妙にオカルトじみた事柄に遭遇しやすい音楽ディレクター多聞を主人公にした連作短編集。それぞれの謎に魅入られるものの高まる期待がどうにも、まだもっとあるでしょうと既に完成した単行本に無駄なプレッシャーをかけつつ読む。
そんなある意味失礼な期待は最後の短編「夜明けのガスパール」で収められた。夜行列車で怪談話に興じるという設定がもう、恩田陸らしくてファンとしてはほっと息つく。ある意味、お家芸ってやつですね。
飄々とした多聞というキャラクターの存在ゆえか、カバーやタイトルのイメージ裏切って心地よく読めた作品。ご無沙汰なので忘れてたけど、この人短編上手いんだよなぁと再認識でした。