文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

前巻では賞を取れなかった作家との対談といういかにもな企画で楽しませてくれたに続いて、今作では受賞作家との対談! しかも石田衣良という選択が素敵過ぎます。大森さんも豊崎さんも、たぶんあんまり好きじゃないよね?(笑) 作品には出来るだけ迂回しつつ時にストレートに突っ込み、とりあえずからかうネタは豊富かつ躱せる余裕ある石田さん相手だからこそのトークはただただ面白い。イヤほんと、逆に二人が好きそうな作家相手にするよりはずっと面白いことになっている。
で、メインは選評への評、ですが。なんかもう、都知事の担当の人だか直木賞の担当の人だとかわからないけど、もう狙ってるのではないかと。これ日本語変ですよって言えないか、もしくは意図的に言わないんでしょ? だとしたら悪意だよねむしろ。メッタ斬りの存在知った上で意図的にやってるとすればまだ安心できるし、尊敬する都知事、もしくはその影の編集者。
あと授賞式のレポートも面白かった。こういうの、他では読めないから本当に面白い。他にはほとんどないんだから文壇のゴシップ記事として、この本にはかなりの価値がある。毎回やってほしいな。そしていつかはトヨザキ社長とジュンちゃんの遭遇をぜひにも!
あと二人一致したかんじでもう角田光代は賞もあげなくて褒めなくていい!って褒め殺ししてるあたりがかなり同意。気になる作家の作品が書店に並んでたら反射で飛びついちゃうけど、たしかに角田光代に関してはそういう焦りはもうない。もう、面白いのはわかってるもん。まぁでも他に読みたいのなかったら飛びついちゃうんだけどね?
そういうあれこれで、楽しめる一冊でした。ゲスト替え手に品替えで、それでも一年に一度のペースで出して欲しいシリーズですよね。