読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編(北上次郎×大森望)

読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

書評漫才(?)第二弾ですね。2004年から2007年の、編集部が選ぶいわゆるベストセラー本、そして書評家である二人がそれぞれに勧める旬の良作をエサに、分析する流す熱弁を振るう冷笑する同意する首をひねる。
わたし個人としては、どっちかの意見にうんうんと同調するんですね。作品によってどっちに同調するのかが変わっちゃうんですけど。比重としては大森氏に肩入れする場合が多かったでしょうか。え、『○○クラブ』とか『○○○ージュ』って何が面白いの?とか、いやプリーストは面白いだろとか、でも一方でうん確かにイーガンは辛いわと北上氏側についたり。まーホント、受け入れかたは千差万別ってことですね。ただ二人ともが面白いと太鼓判を押す作品は、たくさんの人に受け入れられる作品だと思う。正確にいえば大森氏が推薦して、北上氏も「これは面白い」と認めたパターン(笑)。
でもそういうのっていいんじゃないかなって思う。ある程度信用のおける書評家ってのは確かにいるけど、でも自分の読書の好みの変化によって誰が信用おけるかは変わってくるものだから。だったら守備範囲、もしくは好みにクセがある書評家同士の対談によってより、未読の作品の本質が、正確に言えばそれが自分の好みであるかどうか、判別しやすいし。それに既読の小説についても、どこが面白いとか面白くないとか、そういうざっくばらんな対談って他にないから、ただ読んでるだけで興味深くて面白い。
わたしは幸運なことに、たぶんこの二人ともが面白いと思った作品はストライク。というわけで、ボーナストラックとしてお互いのオールタイムベスト3を読むという企画があるのだけど、そこで大森氏が勧めて北上氏が絶賛した『銀河英雄伝説』(田中芳樹)を読み始めました。全然知らなかったけど、すごい有名な作品なのねこれ。で、今さらお前が言うなってかんじだけど、すっげー面白いわ! まだ3巻目だけど、終わってほしくないもの! 本当はせめて二冊ずつくらいで感想書いとこうかなと思ってたけど無理。全部読み終わってからわけのわからない、面白かったを連呼するわけのわからない感想を書くと思います多分。