背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫) 背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)(道尾秀介)

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫) 背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)
やっぱ道尾秀介はいいよね、なんてことを言いつつも、彼の著作すべてを読んでいたわけではなかったのだ! でもこれであと未読なのは『骸の爪』だけだな。発売当時に買ったんですけどね、この『背の眼』を読んでからにしようと思ったまま忘れていました。
で、本書が第5回ホラーサスペンス大賞を受賞した、道尾氏のデビュー作であります。あらすじは割愛。
ちょっとホラー的なスパイスはあるものの、意外にも王道なミステリ、でしたね。村に残る伝説に絡んだ神隠し事件に一風変わった探偵が挑む!みたいな金田一風味の設定で、「この世に不思議なことなどないのだよ」といつか言い出すのではと気がかりだった霊現象探求家・真備による、京極堂チックなオチと伏線回収。その後の著者の作品を知って読むとちょっと意外に思うが、でもこれがこれが、ぐいぐい読ませてくれるんですね。デビュー作からこれかと思うとホント、ハズレのない作家さんであります。