終決者たち(上) (講談社文庫) 終決者たち(下) (講談社文庫)(マイクル・コナリー)

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(上) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)

終決者たち(下) (講談社文庫)

ハリー・ボッシュシリーズ、最新刊です。
ロス市警を辞めて私立探偵となっていたボッシュが復職! その最初の事件であります。ふたたび刑事となったボッシュが所属することになったのは、未解決事件を専門に取り扱う部署。コールド・ケース、もしくはケイゾク? ここへ来てやっとボッシュに一番ピッタリの場所が見つかったような。
たしかにボッシュが日本でいえば捜査一課みたいなとこに属してリアルタイムの事件を追ってる作品はすごく面白かった。スリリングでラストはどんでん返しの連続で。そのあたりの作品で言えば『エンジェルズ・フライト』がとくに傑作だったと思う。
だけど一方で心に残ってる作品は『シティ・オブ・ボーンズ』。二十年前に殺されたらしい少年の骨が発掘されたことから始まる物語だったが、ボッシュはそれを「昔の事件」としては扱ってなかったことが印象に残っていた。
感情移入しやすい現在進行形の事件と同じように、数十年前の犯罪に対しても怒りと熱意を持って捜査できるボッシュならばの、ピッタリの職場じゃないだろうか。

3年間の私立探偵稼業を経てロス市警へ復帰したボッシュ。エリート部署である未解決事件班に配属された彼は、17年前に起きた少女殺人事件の再捜査にあたる。調べを進めるうち、当時の市警上層部からの圧力で迷宮入りとなっていた事実が判明。意外な背後関係を見せる難事件にボッシュはどう立ち向かうのか。

もうちょっとロス市警自体を引っ掻き回すかなと期待しましたが、ま、復帰一件目ならこのくらいでしょうか。派手さはないものの、文句付けるところはない、良ミステリだと思います。まだまだこのシリーズは追い続ける価値ありですね。