〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)(クリストファー・プリースト)
- 作者: クリストファー・プリースト,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/02/10
- メディア: 文庫
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本作はちょうど今、日本で公開されている映画『プレステージ』(正しくは『プレスティージ』だよね?)の原作で、19世紀から20世紀をまたにかけて活躍した、二人の奇術師の因縁を核とした物語である。ひとりは<瞬間移動>というイリュージョンを発明したアルフレッド・ボーデン、そして<瞬間移動>をさらに改良した<閃光の中で>で一世を風靡したルパート・エンジャ。エンジャの子孫であるケイトと、ボーデンの子孫であるアンドルー、二人の出会いは、ボーデンとエンジャが<奇術師>として残した記録によって翻弄される。
やっぱ面白いわ〜〜! わかってたけどね? 何が面白かったって、読み終わってなお、まだ騙されてるんじゃないかって疑いたくなるほど、その世界に飲み込まれちゃうのよ。事実と思われていたものが、パタパタと裏返る後半。そして、いやもうこれホラーでしょ、なラスト。プリーストの作品は、確実にわたしの脳内をたっぷりと刺激した上、こんな作品読めて幸せだなぁとまで思わせてくれちゃうんだよな。最高です。刺激的という意味では今現在、プリーストが自分のなかでナンバーワン。
今さらにもほどが過ぎますが、オススメな一作です。