塩の街(有川浩)

塩の街

塩の街

これねー二年半くらい前に電撃文庫版を読んでるんですよね。だからスルーするつもりだったのだけど、今日改めて書店でこの本を眺めてたら、帯に

本編大幅改稿、番外編短編四編を加えた大ボリュームで登場。

とかあるんですもの。……買っちゃうよ。まぁすでに記憶は薄れちゃってることだし、新鮮な気持ちで再読ということに。

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代、
塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていたーーー。

世界各地における原因不明の『塩害』によって、社会制度および秩序は完全に崩れ去ってしまった。自分を守るのは自分しかいない。そんな世界で、もと空軍パイロットと女子高生が出会った。二人の恋が世界を救う……!?


文庫版で読んだ時とは印象が異なって、今回の単行本版のほうがずっと良かった気がする。改稿のおかげか、イラストが付いてないせいか。この人の作品って読者を妄想モードに突入させてしまいがちな性質があるので、イラストはね、付けないほうがいいような気がするのだ。
本編の読み応えはもちろん、有川浩お得意のスピンオフ短編もあいかわらず軽快でラブラブで、読んでいて楽しい。著者は一番苦労したとあとがきで書いてあったけど、入江の話が一番好きかも。わりと好きなんですよね、頭脳明晰で弁が立ってクールな、入江のキャラが。


そんなわけで普通に有川浩の新刊として十分に楽しめてしまいました。文庫版を読んでない人はもちろん、読んだ人でも有川ファンなら誰でも楽しめる作品だと思いますよ。