少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)(北山猛邦)

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

メフィスト賞受賞作の『「クロック城」殺人事件』以来、この人の作品を読むのは二作目。<ミステリ・フロンティア>自体もちょっと久しぶりかな。


人間に悪影響を与えるとしてすべての書物が禁じられた世界、政府によるラジオ放送のみを頼りに人々は、その価値観に奇妙なゆがみをみせていた。それが「大人になる」ということ……。「ミステリ」を求めてイギリスから日本にやって来た少年は、ある村で起こった奇妙な事件に興味を示す。犯人は森の奥に住む『探偵』らしいのだが……。


面白かった! なんかもうこの物語の世界に酔っちゃいましたね。失われた「ミステリ」、「悪意」そのものが封じられた世界、少年検閲官という機械……。「ミステリ」に魅せられた少年と、すべてのミステリが詰め込まれた少年検閲官、二人の因縁はまだまだ続きそうです。ていうかシリーズ化しますよね?これは。というわけで続きが楽しみな一作でした。