デスパレートな妻たち（１）〜（３）

デスパレートな妻たち シーズン1 COMPLETE BOX [DVD]

さんざん文句言ってる『LOST』ですが、ここまできたのでせめてシーズン１くらいはすべて観ようと。そう思って借りてきた10巻にボーナストラックとして前々から観たかった、この『デスパレートな妻たち』の第一話が収録されておりまして。それを観てしまったが最後、『LOST』放置のまま『デス妻』を借りに走ってるわたしがいましたよ。これ面白いわ〜。

郊外の住宅地に住む主婦たちの物語なのだけど、すごく多面性のある物語なんですね。主人公となる４人の主婦たちの悩みと秘密、そして幸せそうだった主婦仲間の自殺をめぐるミステリ。ときにコミカルに、ときにスリリングに、退屈さと対局にある、緩急あるストーリー展開に惹きつけられてやまないの。

誰もが羨むような良妻賢母であったメアリーが突然、銃で自殺することから物語ははじまる。そのメアリーの「近所のお友達」である４人がこのドラマの主人公だ。
＜完璧主義のカリスマ主婦＞ブリーは、食事は手作りが当たり前、リフォームからガーデニングまでこなす、いわゆる「主婦の鏡」ともいうべき存在。が、実は夫も子供たちもその完璧主義ぶりにうんざりしており……。ちなみにこの人、荒川静香に似てる……サイボーグなお面。
＜子だくさんの元キャリアウーマン＞ネットは、妊娠を機に主婦となったが、夫の精子が元気すぎるのか次々と妊娠、今や四人の男の子の母親だ。この四人のなかでは夫とのなかが上手くいってるほうだが、その夫は出張ばかりなため一人で嵐のような子育てに奔走してるあたり、ストレスは常に爆発寸前。
＜逆転親子のバツイチ挿絵画家＞スーザンは一番子供っぽいタイプで、かわいらしいがそそっかしい。ティーンネージャーである娘のジュリーがむしろ母親役で、スーザンの恋を陰ながら応援したりする。逆転親子とはいえ、ちょっと素敵な親子関係かも。笑顔がキュート。
＜色気たっぷり贅沢大好きの浮気妻＞ガブリエルは夫が金持ちなため４人のなかでは唯一、家政婦を雇って家事をしないお気楽な立場。だが夫の横柄な態度にフラストレーションを感じており、若い男の子と浮気に励んでいる。…と説明するとアホそうだけど、意外に機転が利く。ヨガが日課。

とりあえずこれまでのところ、ブリーの夫婦関係が崩壊寸前、ネットは子供たち相手のみならず嫌みな「お母さん仲間」への宣戦布告、スーザンは新たな恋へ突進、ガブリエルは浮気の発覚を恐れ綱渡り……と、それぞれ４人のドラマが重なる。さらにメアリーの死が単なる自殺ではなかったという確信が四人のなかに生まれ、挙動不審なメアリーの夫が気にかかり……。

ストーリーにひねりが利いてるのはもちろん、なによりこの４人の主人公がそれぞれに魅力たっぷりだから、観ていて楽しい。都市部で生きるシングル女のドラマ『Sex&TheCity』の対極にあるような設定ではあるし、世代的にも環境的にも共感はできないかも…なんて危惧していたがこれがどうして、予想以上に面白くて驚いた。ミステリ的なヒキはもちろんのこと、一見ひとくくりにされそうな「奥様」の多様な人生がかいま見れるのもポイントかも。続きが楽しみです。