翻訳小説編

今年は翻訳小説をたくさん読んだような。でも国内小説に比べるとまだまだですね〜。やっぱり読むのに時間がかかるのと、ある程度自分自身が元気なときしか読む気がしないからだろうな。来年はもっとたくさん読みたい。
というわけで、今年読んだなかで面白かった翻訳本、順不同で12冊。

10ドルだって大金だ(ジャック・リッチー)
ティンブクトゥ(ポール・オースター
遺す言葉、その他の短篇(アイリーン・ガン)
みんな友だち(マリー・ンディアイ)
口ひげを剃る男(エマニュエル・カレール)
わたしを離さないで(カズオ・イシグロ
デス博士の島その他の物語(ジーン・ウルフ
リンさんの小さな子(フィリップ・クローデル
ある秘密(フィリップ・グランベール)
宇宙舟歌R・A・ラファティ
イラクサアリス・マンロー
世界の果てのビートルズ(ミカエル・ニエミ)

■10ドルだって大金だ(ジャック・リッチー)
楽しい楽しい。ユーモアとツイストが盛りだくさんで、14の短編すべて堪能。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20061017#p1


■ティンブクトゥポール・オースター
最高に理想的な関係と、現代における家族の風景がダブルでじっくり味わえる傑作。表紙のかわいさは今年ナンバーワン。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20061004#p1


■遺す言葉、その他の短篇(アイリーン・ガン)
超寡作ながら評価の高いSF作家による初の短編集。突拍子もない設定なのになぜか自分の日常と繋がってるような、不思議な感覚。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060918#p1


■みんな友だち(マリー・ンディアイ)
「ぼくを売ってよ!」という帯のコピーが秀悦。わたしの貧しい語彙では語れないほどに、上質の短編集であります。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060906#p1


■口ひげを剃る男(エマニュエル・カレール)
続いて同じくフランスの作品。記憶をめぐる狂気の心理サスペンス。しんとしてるのにエキセントリックな作品。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060726#p2


■わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)
あちらこちらで絶賛されてるので今更でしょうが、やっぱ今年ナンバーワンかなと。謎の施設とそこで育った子供たちをめぐる、長く哀しい物語。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060505


■デス博士の島その他の物語(ジーン・ウルフ)
小説を読む楽しみが溢れ出る作品。ビバウルフ! どちらも面白いのだけど個人的には『ケルベロス第五の首』より読みやすく感じた。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060411


■リンさんの小さな子(フィリップ・クローデル)
悪夢のような絶望の中で、守るべきもののため、友のためなら、人間はこんなにも強く生きることが出来るということを、リンさんの人生が教えてくれる。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060218#p1


■ある秘密(フィリップ・グランベール)
戦争がなければこんなに苦しむことはなかったのに、戦争がなければ存在しなかった家族の物語。切ない。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060123#p1


■宇宙舟歌(R・A・ラファティ)
ラファティ流爆笑「オデュッセイア」。楽しくてアホらしい冒険物語です。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060112#p3


■イラクサ(アリス・マンロー)
初恋の人との思いがけぬ再会、郷里との決別、たった一度の浮気……人生の「ひとコマ」の鮮やかさに圧倒される。深い余韻にため息。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060501#p1


■世界の果てのビートルズ(ミカエル・ニエミ)
スウェーデンの最果ての村で、果てない未来とシビアな現実の間で揺れながら成長する、二人の少年の物語。思春期の息苦しさを思い出しました。
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20060303



追記1:リッチー、オースター、ガン、ウルフ、ラファティアメリカの作家、ンディアイ、カレール、クローデル、グランベールがフランスの作家、イシグロがイギリスの作家、マンローがカナダの作家、ニエミがスウェーデンの作家。なんか偏ってますね〜。来年は南米とかアフリカの作品もチャレンジしてみたいな。


追記2:発売日は去年なのでベストに入れられなかったけど、『ぼくのともだち』(エマニュエル・ボーヴ)もすごく良かった。今年発売された『きみのいもうと』を入手できなかったのが残念。年内に読めてればベストに入ったかも…?
レビューはコチラ→http://d.hatena.ne.jp/juice78/20061108#p1