シャドウ (ミステリ・フロンティア)(道尾秀介)★★★★

シャドウ (ミステリ・フロンティア)
やーっとゲット! こないだは品切れだった店も、「このミス」の帯をひっさげて並べてありましたよ。今日もなかったら多分かなりイラっときてたと思いますね……。

人間は、死んだらどうなるの?―いなくなるのよ―いなくなって、どうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、鳳介の母はこの世を去った。父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。夫の職場である医科大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが…。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?話題作『向日葵の咲かない夏』の俊英が新たに放つ巧緻な傑作。

で、本作。やはりというか、すごく面白かったです。一気読みでした。二家族のどろどろとした関係を暗示されて、ミスリードされるのも気持ちいいくらい。ただ……続きはネタバレ含みますのでたたみます。


なんだろう……この気持ち悪さ。「ハッピーエンド」みたいに終わってるせいか。う〜ん、やっぱ復讐が正当化されてるからか。意外にも自分の中の常識人が目を覚ましたか。復讐劇はどんと来いだけどそれを正当化されると、考えてしまう。でも通ったら、それが正論なんだよなぁ。
ただ仕掛けはとても上手いです。ラストはちょっとガクッときたけど、そこまでの煽りはいい。次作が楽しみですね。それまでにこれまでの作品も読んでおきたいです。