ファンタジーのDNA(荻原規子)

ファンタジーのDNA

ファンタジーのDNA

ファンタジー作家・荻原規子氏による初エッセイ集です。忘れがたい子供時代の読書体験、アニメやマンガへの愛情、SFや古典との出会い、作家になることを決定づけた一冊の小説への想い、など、まさに作家「荻原規子」のDNAを知ることができる一冊。
わたしは食わず嫌いで「ファンタジー小説」というものをほとんど読んでこなかったのだけど(当然「指輪物語」も「ナルニア物語」も「ゲド戦記」も読んでない)、このエッセイを読んで、いかにたくさんのファンタジーがアニメやマンガというかたちで、自然に自分のまわりにあったことに気付いた。宮崎アニメなんて王道だし、漫画の『BASARA』とかも壮大なファンタジーだし。本当にいい国に生まれたなぁ(笑
あと個人的には、著者が『赤毛のアン』へ憧れた時代を綴っている部分に、ものすごく共感してしまった。共感するもと少女は多いと思うけど。わたしもかつてはプリンス・エドワード島へ行ってみたいと憧れてた乙女な時代があったのだ。今となってはそんな地球の裏側に行くまで禁煙できる自信がないとつぶやく、ただの酔っぱらいになってしまったわけだけれども。だけどこのエッセイに書いてあるように、『赤毛のアン』では舞台であるプリンス・エドワード島の情景が本当に美しく魅力的に描かれていたのだ。ただその著者であるモンゴメリの不幸な人生については何も知らなかったので、ちょっと驚いた。近いうちに読んでみたいと思う。そのまえに、年末に帰省する時にでも『赤毛のアン』を読み返そうかな。
あともうひとつメモ。著者がファンタジーを書きたいと決定的に思わされた作品、『妖女サイベルの呼び声』(パトリシア・A・マキリップ)を読みたい。