ジェラールとジャック (白泉社文庫)(よしながふみ)

ジェラールとジャック (白泉社文庫)

ジェラールとジャック (白泉社文庫)

ボーイズラブは性に合わないと言いつつ、あっさり買ってきちゃうこのノリはどうなのか。でもハマリはしませんけどね(たぶん)。ノーマルな小説や漫画でさえ収集つかなくなってる我が家へ、新たな潮流は断固阻止しなければ……。


でもね、この作品はホント素晴らしかったです。
この作品は上で紹介したエッセイで熱く紹介されていたんで気になってしまって、でもよしながふみの作品は多少読んでるんで大丈夫だろうとタカをくくって買ってみたのですが、まぁこれががっつり男同士の恋が描かれていて。
フランス革命前夜、成り上がり市民のジェラールと、もと貴族で売りに出された男娼のジャック。ジャックの初の客となったジェラールは「一人で何が出来るものか」と、身請け金を払ってジャックを外に放り出す……。


深いんですよ。こんなにも「愛」を深刻に繊細に描いた作品は、そうはないと思います。垣根を越えます。一世一代と思える恋の相手への失望によって深く傷ついたジェラールの心。最初は大嫌いだったジェラールの心の傷を知るにつれて、惹かれていくジャック。これは恋?なんて思いながらもすれ違っちゃう二人の心に胸がキュンとしちゃうのです。自分的にはまだ受入れがたい男×男という設定すら、もうそういう問題じゃないから!と切り捨ててしまうくらい、純度の高い愛の物語でありました。


で、関係はないけど反応を見たいので男の子にも読ませてみようっと。