図書館内乱(有川浩)★★★★

図書館内乱
図書館内乱
posted with 簡単リンクくん at 2006. 9. 9
有川 浩著 / 徒花 スクモイラスト
メディアワークス (2006.9)
通常24時間以内に発送します。


はい来ちゃいました。『図書館戦争』の続編です。ていうかシリーズ化が決まったようですヽ(^◇^)/


相変わらず「月9」路線です。甘いです。読んでて照れます。
今作では郁の苦手な両親の職場訪問とか、郁の同僚でやたら仕事のできる手塚とその兄の確執など、家族にまつわるエピソードなど。加えて人当たりはいいが隙のない上官である小牧の唯一の弱点である女の子が登場したり、シニカルな情報屋で郁の親友でもある柴崎に恋の噂が流れる……?
ストーリーとしては「検閲」であったり「プライバシーの侵害」に踏み込んだ内容なので、読み応えあります。そのなかでも、通り魔で逮捕された少年の供述調書全文を掲載した雑誌の取り扱いについて、図書館員が意見交換するあたりは興味深い。


しかし相変わらずラノベだよなー。たしかにラノベより濃いと思わせるだけの踏み込みはあるけど、それでもノベルズ止まりだろうと思わざるを得ない。シリーズ化が決定した今となっては特にね、そう思ってしまいます。別にいいんですけど、ただ単行本レベルでは違和感があることは否めない。
でも次作を楽しみにしてしまうんですけどね?


情報→
今月末に『レインツリーの国』という小説が新潮社から出るらしいです。『レインツリーの国』は今作のなかで騒動のきっかけとなった架空の図書ですが、それを著者自ら書いてしまったようです。しかも本書中に『レインツリーの国』への辛口書評が書いてあって、ちょっと楽しみが増します。著作への書評を先度って書いちゃうって……君はスタニスワフ・レムか! でもこういう仕掛けって楽しいですよね♪