文学賞メッタ斬り!リターンズ(大森望・豊崎由美)★★★★


文学賞メッタ斬り!リターンズ(仮)


けっこう楽しみにしてましたよ。こういうの好きですから。リアルタイムで活躍している作家について語ってるのって国内では少ないですしね。
ROUND1のトークショーとROUND4のZ文学賞選考会で、島田雅彦氏を含めた三者対談が楽しかった。島田氏が気ままに毒舌なあたりがとくに(笑)。
ROUND2、三年間の様々な文学賞の選評を斬るというテーマはたしかに面白いのだけど、話題が飛びまくりなので、ROUND4に収められている芥川・直木賞の予想対談と関連づけてくれたらもっと楽しめたように思う。
最後のROUND5に収められた「文学賞メッタ斬り!」大賞は、この三年の間に賞を受賞した小説から選ばれた先鋭をワールドカップ形式で争わせたものだが……。読んでいて面白くないわけではないのだが、小説に勝ち負けを付けるのはとても意味のないことではないかと思った。ま、文学賞も一人(たまに二人)の勝ちとそれ以外の負けではあるから、同じことではあるけど。ただ勝敗を付けるのがたった二人で、それでえんえんとトーナメントをやる必要があるのかどうかわからない。それが大賞を決めるための必要な手順だったらしようがないけど。でもそれなら、候補作を一列に並べてどれにするか議論するほうがプラス思考なかんじでいいと思うんだけどなぁ。
そのほかでは新人作家に注目したROUND3が面白かったな。読みたい作家が増えた。青木淳悟とか。あと総じて好評価の島本理生の作品に対する厳しいコメントも、相変わらずだがうなずける。
ま、なんだかんだで楽しめました。手を替え品を替え、今後も続けてほしいと思う。できればもっともっとハードに☆