ドライブイン蒲生(伊藤たかみ)★★★

ドライブイン蒲生
伊藤 たかみ著
河出書房新社 (2006.7)
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「八月の路上に捨てる」で前回の芥川賞を受賞した伊藤たかみの最新短編集。この人の作品を読むのは初めてです。
表題作「ドライブイン蒲生」……半端なヤンキー一家の風景。なんかイタいなぁ。
無花果カレーライス」……幼なじみとの久々の再会によって、精神を病んでうちを出た母親が自分に連絡を取りたがってると知るが……。
「ジャトーミン」……死期の迫った父親の耳の穴から出てきた小さな白い玉。一風変わった父親との日々が描かれる。


三作ともに「家族の風景」の「回想」が物語の軸となっていて、当然ながら印象的なシーンが多くすいすいと読める。文章も上手いし。でも正直、だからなんだといいたくなるこのやりきれない読後感。う〜ん。次の作品も読みたいとは思えないんだよねぇ。まぁでも、受賞作くらいは読もうかな。