太陽の塔 (新潮文庫)(森見登美彦)★★★★

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

というわけでさっそく挑戦。

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

あぁ、これは面白かったなぁ。わたしも京都で学生時代を過ごしたので、余計に楽しめた気がする。京大(理系)の人たちってまさにこういうイメージだったし(笑)。自虐的なユーモアをたっぷり織り交ぜながら、大学時代に誰もが感じる、出口の見えない閉塞感もしっかりと描かれていて。他の作品もぜひ読んでみたい。