群像 2006年 07月号 [雑誌]を読んで…

群像 2006年 07月号 [雑誌]

群像 2006年 07月号 [雑誌]

あんまり文芸誌買わないんだけど、こういうのも買い出したらクセになるのかもしれませんね。
●「高橋源一郎山田詠美古井由吉」の座談会が面白い。作家としてそして選考委員として噛む様々な文学賞の選考会についての、それぞれの生の意見が興味深いです。
●『どうで死ぬ身の一踊り』の西村賢太が『夜の公園』(川上弘美)のブックレビューを書いてます。しょっぱなから気を抜くと藤澤健造のほうへ話が向かっちゃいそうなあたり笑えます。やっぱ好きだな、この人。
●巻頭は生垣真太郎の『キメラ』。わたしはまったくこの著者のことを知らずにパラパラと読んでみたんだけど、意外に面白くてビックリ。読み終わってネットで検索かけてみたけど、イマイチどういう人かわからず。メフィスト賞出身の人で、京大卒で、過去か現在かNYに住んでて……?
で『キメラ』ですが、サスペンス+錯綜+青春小説ってかんじで、読み応えありました。RPG的な展開や細かい描写が上手いので引き込まれたって言うのもありますが。他の作品も読んでみたいなと思いました。
宮崎誉子『脱ニート』。笑わせたいんだろうな、という意図を察したうえで笑えないというのは辛い。さすがに果てしないジャブが続いて笑っちゃったところもあるけど。でも何を言いたいのかがよくわからない。小説における「笑い」は相当テク持った人じゃないとキビシいと思うんだけど、どうでしょう。でも読み通せたから、なんかあるのかなとは思う。でもその「なんか」は見当もつかない。
●最近興味ある中島京子や、ちょっと前の群像で初めて読んだ中山智幸のコラムが面白くて嬉しい。中島京子の過去の作品はアマゾンに注文してすでに手元にあるので読み待ちだが、中山智幸はそろそろ単行本出してくれないかなぁ。買うよ?
井口時男松浦寿輝中村文則による創作合評で取り上げられた、古川日出男の新作が面白そう。早く読みたい。
そんなかんじでした。