クドリャフカの順番―「十文字」事件(米澤穂信)★★★★★
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
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古典部シリーズ最新作です。
ついに文化祭。ちょっと問題を抱えつつも文集を出すことが出来た古典部。福部里志は存分に文化祭を堪能、伊原摩耶花は掛け持ちの漫研のほうで頭が痛く、千反田えるは慣れぬ営業活動で大わらわ、そして折木奉太郎は……店番。時を同じくして学園内で奇妙な連続盗難事件が起こっていた。わざわざ犯行声明を残すその事件に、やはり千反田があのひと言……。
うん、今回も良かったな。というか、巻を重ねていくごとにこの4人の親密度が高まっていくようで、それが楽しいのかも。ほのかに見え隠れする恋愛感情も気になるし。謎そのものに関しては第一作の『氷菓』がほろ苦くて一番好きなんだけど、わくわくするプロセスや鮮やかな幕引きなど、全体のバランスでは3作の中でこれが一番いい。あちらこちらにシーンは飛ぶのだけど、どれもきちんと伏線になってるし。それに4人はまったく違う意図でそれぞれ行動してるのに(奉太郎に至っては行動すらしてない)、事件に関する様々な情報を得て集まるあたり、まさに「チーム」ってかんじで読んでいて楽しかった。あと、小麦粉の件は良かった。ウッカリ惚れそうです。
というわけで次作もめちゃくちゃ楽しみです。