事件当夜は雨 (創元推理文庫)(ヒラリー・ウォー/古田誠一・訳/創元推理文庫)

事件当夜は雨 (創元推理文庫)
すっかりハマっております。どれも読み始めたら止まらないんだよねぇ。

どしゃぶりの雨の夜。果樹園主を訪れたその男は「おまえには50ドルの貸しがある」と言い放つや、いきなり銃を発砲した……コネティカット州の小さな町、ストックフォードで起きた奇怪な事件。霧の中を手探りするように、フェローズ署長は手がかりを求める。その言葉の意味は? 班員は? 警察の捜査活動を綿密に描きつつ、本格推理の醍醐味を満喫させる巨匠ウォーの代表作登場。

うぅ〜ん、上手い! 物語の前半はまったくと言っていいほど捜査は進まない。だけど途中で「犯人は警察をミスリードしようとしている」ことを前提に事件を洗い直すと、まったく意外なところから容疑者が浮かび上がってきた。そしてラストがすごい。実行犯が割れたところで事件は解決かと思われたが、二人のうちひとりが完璧な嘘をついている……。どちらが嘘をついているのか!? も〜最後の最後までドキドキです。
最近の警察小説は<推理力>より<捜査能力>のほうが目立つ作品が多いので、逆に新鮮です。はやくほかの作品も読みたいけど、行きつけの本屋にはもう未読のものがないんだよね…。他の本屋まで出張る余裕ができるまでガマン。