西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)(荻原規子/中公文庫)

西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)
ついに完結編きちゃいましたよ…。これが出る前に一度全部読み返しておこうと思ったんだけどなぁ。ま、出たら読んじゃうからねぇ。さすがに「この人誰だっけ?」ってほど忘れてるわけじゃないけど、細かいエピソードとか忘れてるしなぁ。やっぱシリーズ物は完結してからまとめて読むべきだな。最近とくに小説を読み返すことをしないんだよね。昔は読み返すこともあったのになぁ。漫画は未だに何度も読み返しちゃうけど。
さて最終巻。

再会を誓い、ルーンは世界の果ての壁を目指して南へ、フィリエルは北極の塔へ。吟遊詩人に導かれ、それぞれの危険すぎる旅がはじまったーー「氷の都」で彼らを待ち受けるのは、「真昼の星」を目とする賢者」女王の血を引く少女の勇気が、今、世界を変える!

今回もやっぱ一気読みしちゃうほど面白かったんだけど、でもこれが最終巻!ってかんじのラストではなかった気がするな。ノベルズでは外伝扱いだからそっちで読んでた人とはちょっと受ける印象が違うんだろう。文庫版ですべてのストーリーをひとつの流れとして読むと、このラストは道半ばに置いて行かれた感があるのだ。物語のひとつの主軸である「王国のあり方」の根底が崩れたところで物語が終わっているのだから。そこからまた模索しながら新しい国のあり方に落ち着くまで、いくらでもこの著者なら書けたと思う。ただ一方で、主人公のフィリエルとルーンがお互いを唯一無二の恋人として完全に信頼しあってしまった時点で、この物語は終わっていたんだよね。それがノベルズのラストだった。それはそれで良かったんだけど、ただ文庫版の流れで読んじゃうと、この最終巻(ノベルズでは「外伝3」)があまりに本編の地続きで国のあり方を左右するような大きな物語だったからこそ、そう思ったのかもしれない。
とはいえ! クラシックなのに新鮮で、めちゃめちゃファンタジーなのに主人公を身近に感じれる、とっても楽しいシリーズでした。
はやく他の作品も読まなくては…!!