白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge) 白鳥異伝 下 (トクマ・ノベルズ Edge)(荻原規子/徳間書店)<34-35>

白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge) 白鳥異伝 下 (トクマ・ノベルズ Edge)

双子のように育った遠子と小倶那。だが小倶那は「大蛇の剣」の主となり、勾玉を守る遠子の郷を滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌ぬべきものじゃ」大巫女の託宣に、遠子は彼を倒すため、勾玉を連ねた「死」の首飾りを求めて旅立つが? ヤマトタケル伝説を下敷きに織りあげられた壮大なファンタジー

前作の「空色勾玉」の物語が伝説と化したころ、ふたたび<剣の主>と<勾玉の持ち主>は運命に踊らされていく。ぐいぐい引き付けるストーリーもいいのだが、脇を固めるキャラが秀越だ。勾玉の持ち主の一人として遠子に手を貸すことになった、女にはめっぽうもてる赤毛の男・菅流。。すべてを捨てて恋に走った明姫と皇子。その皇子の側近で小倶那の教育係でもあった料理上手な七鞠。魅力的なキャラたちが物語を引き立てる。上下巻だったけど楽しんで一気に読めた。全然関係ないが、遠子っていい名前だよね。
それにしても愛し合う二人が皮肉な運命によって敵味方と別れて戦うことになる、というストーリーは田村由美の「BASARA」を思い出す。また読みたくなったな。そろそろ買い集めるか。