オテルモル(栗田有起/集英社)<25>

オテルモル
「カリフォルニアガール」も「暗殺者」も読みかけで面白いけどちょっと疲れた今は読む気せず、荻原浩の新刊は読んでも読んでもぐちっぽくてさらに疲れ、荻原規子の新刊ノベルズ(上下巻)にとりかかる気力もなく……。そんな気力ナシなわたしが手に取った一冊がコレ。
主人公・希里は高卒の23歳、これまで就職した経験もないのだが、なぜかピンときた求職情報に飛びついて履歴書を送る。そこは「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」という名のホテル。募集条件は、夜に強く、孤独癖があり、いらいらしないこと。そのホテルは地下にある。最下階は13階、会員制、「眠り」を求める人のためのホテルだったー
そして希里にも事情がある。双子の妹(入院中)の娘とその父親と3人で暮らしていたのだが、姪っ子の小学校入学に伴い、ふたりから離れようと就職を決めたのだった。
ファンタジーなホテルと、どこまでもリアルな希里の現実が重なるストーリー。うぅ〜その良さを上手く言葉にできない自分がもどかしい…でもね、I love it! これで著作全部読んでしまったのがもったいないくらい。きっといしいしんじとか小川洋子とか 好きな人にはたまらない作品なはず!星5つです!