デルフィニア戦記6-18(茅田砂胡/中央公論新社)
さすがに数多くてISBNコード打てないぞ。一応イメージだけコピペしたけど、出てないやつもあって残念。
のこり13巻読んでしまいました。いやー夢中で読んでしまいましたね。ぶっちゃけ4巻でいったんストーリーに区切りがついたから、そのあとはどうなのかな…と落ち着いた気持ちで読んだんだけど、思いっきり引きずり込まれたなぁ。
隣国との戦いを軸に展開されるデルフィニアの魅力的なキャラクターたちの動きが読んでいてとてつもなく楽しい。王と王妃のとんでもない行動は相変わらずだが、それにあきれながらも必死に補佐する仲間たち、わかりやすいほどに悪役を演じてくれる敵、首都に残される戦士の妻たち(戦場に出る女戦士もいるが…)、そしてついに現れるルゥの真の友…。
登場人物たちの恋模様を挟みながら息も突かせぬほどに進んでいく戦況。ラスト3巻あたりは現世にとっては<奇跡>としか捉えようのないことが連発してしまうあたりがあまり好きではないのだけど(そこを押さえつつストーリーを進めるのも無理ではないと思えるからこそ)、でもこんなに止まらないほど次の作品を手に取ったシリーズはここしばらくないぞ。先日は『BASARA』に例えたけど、『天は赤い河のほとり』(篠原千絵/小学館)のほうが近いかな。異世界から来た少女が<戦女神>としてあがめられるあたりは、だけど。
でもこの状況で主人公二人を恋愛から引き離してしまう思い切りは、すばらしいと思う。というよりそこの一線があったらこそ人気が出たのだと思う。美しい少女の身なりをしていながら心は男の(というかもとの世界では生物学的にも男の体をしていた)王妃とそれを尊重する王、二人のつかず離れずの関係こそが読者を刺激する。北上次郎の解説付きで文庫になっているのもわかる。大人が読むに耐える、どころか大人を夢中にさせてしまう魅力があるもの。
次は<暁>シリーズを読んで、そして最新シリーズに突入だな。