文藝 2005年 08月号
基本的に文芸誌は買わないんだけど、デビュー20周年の山田詠美特集ということで迷わず買ってしまった。ファン必読の贅沢な一冊です。
まずロングインタビューがなんと3つも!聞き手は神崎京介、島田雅彦、豊崎由美。そして「江國香織・川上弘美・綿谷りさからの33の質問」というのも山田詠美の答えがすべて直筆で書かれていて良かった。川上弘美の食べ物に特化した質問がとくに好き。綿谷りさの質問だけが野暮ったいのが気にかかるが…ま、若いからね。そして20周年記念メッセージは、アラーキー、井上陽水、北方謙三、久保田利伸、黒木瞳、瀬戸内寂聴、タモリ、ピーコ、村上龍など豪華なメンバー。また斎藤美奈子、高橋源一郎などによる評論、奥泉光、角田光代、金原ひとみ、島本理生、白岩玄、吉田修一などによる文章もあって読み応えたっぷり。今20代でデビューしたばっかりの作家に山田詠美の作品が与えた影響は大きいのだなぁと再認識。そして写真もたっぷり。スカジャン着た現在の姿も可愛いが、年表とともに昔の写真(幼少期のものまで!)もたくさん掲載されている。短いけど書下ろしエッセイもあり。まるで小説のようなレコード屋での日々。このほか「山田詠美を読み解く"A 2Z"」「山田詠美全著作解題」などもあり、読み終わった後、すべての山田詠美の作品を読み返したくなった。