図書室の海(恩田陸/新潮社)

図書室の海
なーんにも買いたい本がなくて「そういえばこれまだ読んでないよな」と買ってきたらその翌々日に文庫化…。『夜のピクニック』が本屋大賞受賞して注目されてるなか、その予告編が含まれるこの短編集が文庫化されることなんて十分あり得ることなのに…読めなかった自分がくやしい。

明日はとうとう、高校最後の「ピクニック」。
貴子と融の胸には、この三年間の想いが去来していた。
青春小説の名作『夜のピクニック』の前日「ピクニックの準備」、


ある地方に伝わる奇妙なゲーム。
秘密裏にゲームを引き継ぐ<サヨコ>のほかに、鍵を渡すだけの
サヨコがいたー。もうひとつの小夜子の物語「図書室の海」など、


恩田陸の魅力を存分に味わえる、十の迷宮。

ファンタジーありミステリあり青春あり…たしかに恩田陸の引き出しの多さを堪能できる短編集だった。どれも無難に上手くまとめられたかんじであまり印象には残らなかったけど、やっぱ「ピクニックの準備」を読むともう一度『夜のピクニック』を再読したくなる。