さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)(ロバート・J・ソウヤー/ハヤカワ文庫)

さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)
『イリーガル・エイリアン』『フラッシュフォーワード』に続いてこの人の作品を読むのは三作目。

恐竜はなぜ滅んだのか? この究極の謎を解明するために、二人の古生物学者がタイムマシンで六千五百年のかなた、白亜紀末期へ赴いた。だが、着いた早々出くわしたのは、なんと言葉をしゃべる恐竜! どうやら恐竜の脳内に寄生するゼリー状の生物が言葉を発しているらしいのだが、まさかそれが「***」だとは……!?

恐竜が言葉を発する??…あらすじを目を通した時は、人間と恐竜の友情物語かしらん、なんて思ったけど甘かった。次から次へと予想外の展開がたっぷり詰まった贅沢な作品。恐竜たちがかけまわる情景描写が上手くて絵が見えるようだったし、恐竜の口から「待ってよう」とか「はーい」とか出てくるシーンはなんか笑っちゃうし、もうひとつの主軸であるパラレルワールドとのリンクは実にSFっぽくて楽しめるし、ラストはひやひやさせられるし、「人間がタイムマシンを発明する必然性」の説にいたってはどうよそれと思いつつのめりこまされちゃうし。もー読んでいてすっごく楽しかった。
普通のノリで読めるのにそのエンタメ性に引きずり込まれて展開の巧みさに驚いてるうちに一気読み。やっぱこの人の作品大好き!ほかの作品もはやく読みたい。