てるてるあした(加納朋子/幻冬舎)

てるてるあした
昨日の今日で早速買ってしまった。
舞台は同じく佐佐良、地味なこの街にやって来た少女・照代が今回の主人公。浪費癖がある両親が夜逃げし、母の遠い親戚であるという女性を頼ってきたのだ。その親戚の女性というのが、なんと久代さん。というわけで『ささらさや』の登場人物たちもフル出場。続けて読めて良かったな。
『ささらさや』でははじめのあたり主人公の臆病ぶりにイライラしたが、本書では主人公・照代のひねくれっぷりにまたイライラ。「そりゃ不幸な境遇なのはわかるけど、人のせいばかりしたってしょうがないでしょ」と説教したくなるかんじ。ところがストーリーが進むにつれ変化していく主人公たちをいつしかとても愛しく感じてしまう。二つの作品に共通する魅力だ。
本書のテーマは「親子」だ。上手く愛情を表現できない親、親の何気ないひと言に傷つく子供、そして愛されなかった子供……。歪んだ関係はいつか救われるのか。
ラストはちょっと泣いてしまった。いい本読んだなー。