小説以外(恩田陸/新潮社)

小説以外

世の中には、二種類の人間がいる。物語を愛する人(読書家)と物語に愛された人(小説家)。稀に両者を兼ね備えた人間が生まれるが、年間2000枚の原稿を書き、200冊の本を読む恩田陸はその典型と言えるだろう。あらゆるジャンルで活躍する現代の語り部は、どんな本を読み、どんなふうに原稿を書いてきたのか?デビューから14年分のエッセイを集大成し、作家・恩田陸の秘密に迫る。文字通り「小説以外」のすべてが分かる、ファン必携、恩田陸解体全書。

この本もね、出る前からだいぶん楽しみにしてたんだけど、直前に別のエッセイが出ちゃったからついつい手を伸ばすのが遅くなったんだよねぇ。なぜ著者の初のエッセイ集を同じ月に二冊出すのだ。そりゃ片方は旅行記だけどさ、もうちょっとタイミングというものを考えてほしい。
ま、そんな出版サイドの話はさておき、中身は中身、さすがに面白かったです。やっぱ文章がうまいせいか、どんどん読めちゃう。14年分のエッセイということで話は多岐にわたるが、文庫本の解説などを含めやはり本に関するものが多かった。おかげで読みたい本が一気に増えた気がする。