狐闇 (講談社文庫)(北森鴻:講談社文庫)

狐闇 (講談社文庫)

魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とすものが続出。陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。満身創痍の操作行は日本の歴史の断層に迫っていく!

壮大な罠にかかり全てを失ってでも、立ち向かう<冬狐堂>こと宇佐見陶子が格好いい!歴史を絡めた複雑なプロットもスピード感あふれるストーリー展開も大満足だけど、やっぱキャラでしょう。主人公の陶子をはじめカメラマンの硝子、民俗学者那智など<男前>な女たちが素敵。那智を主人公にした物語もあるらしく、そちらも早く読みたい。この作品にも「香菜里屋」が登場してるように、いろんなシリーズの登場人物たちが交錯していて、ファンにとっては嬉しい限り。この人の作品は本当にハズレなしだなぁ。はやく全部読みたいな。