ミシン(嶽元野ばら/小学館)

ミシン
下妻物語」に続いてこの人の作品は二作目。顔に大きなあざを持ちヴィヴィアンを着こなす少女との悲しい恋を描いた「世界の終わりという名の雑貨店」とパンクバンドの女性ボーカルに恋した少女の「ミシン」の二編が収められている。
この人の世界は嫌いじゃないな。完璧なディテイルによるコミカルなほどに美しくも狂気的な世界。「下妻」のようにツッコミがあってこそ生きるエンタメ性を持った世界でもあるが。著者だけ見ると文学界のガクトというかんじだが、なかなか興味をかき立てられる(バラエティーのほうが生きるというあたりもガクトだ)。ちなみに「ミシン」はミシンだと思ってたけどmissin'でした。