Book(19-21)

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)
天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)村山由佳集英社文庫
19歳の歩太は、同い年の彼女・夏姫の姉・春姫に偶然出会い、恋に落ちる。歩太は夏姫に「好きな人ができた」と別れを切り出し、二人は夏姫にだまったまま、真剣につきあい始めるが―。
これがデビュー作だと思うと、現在においても<陳腐>と揶揄される作り方は決して変わってないと思う。

天使の梯子 Angel's Ladder
天使の梯子 Angel's Ladder村山由佳集英社
それから十年―夏姫と歩太はともに29歳。夏姫と付き合うようになった8歳年下の慎一は、ただならぬ夏姫と歩太の関係にやきもきする一方、親代わりであった祖母が急死して―。
主役の人間たちの関係にとどまらず、いろんな人間関係がしっかり描かれているところは、最近の村山由佳らしいなあ、と比べて読んで感じた。
うーんまあ、それにしても可もなく不可もなく、という感じでしょうか。

幸福な食卓
幸福な食卓瀬尾まいこ講談社
おもしろかった!ていうか、あんまり評判がいいと手を出すのをためらってしまう天の邪鬼さで、この人の本を読むのは初めてなのだけど。
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」と急に切り出す父親、近くに住んで今も家の掃除や食事の世話をしてくれるのに家を出て一人暮らしをしている母親、進学校でもトップを譲らなかった頭脳を持ちながら大学進学せずに農業を始めた兄―そんな家庭をまじめに、あきらめ気味に心配する中学生の<私>。
設定のおもしろさは別として、ちょっとずるいんじゃないの、と思わされるストーリー展開はあるものの、一見完璧なのにどこかで不器用な家族たちの物語には引き込まれてしまいました。