ふつか遊んだら

ふつかお休み。ごろごろお昼寝したり掃除したり電話したりして過ごす。

本棚がいっぱいだ。
またレンガと板を買ってきて増設するしかないかな…。
こないだ友達のうちで見たツッパリ本棚が欲しい。
あれを並べたら壁全体が本棚で覆われて、とてもいいだろうな。



▼読書
『太陽と毒ぐも』角田光代/マガジンハウス)
同棲カップルの日常を描いた短編集。お菓子を主食に食う彼女、異常な巨人ファンの彼、万引き癖がある彼女、無職で浮気する彼、風呂に入らない彼女、買い物依存症の彼…等々。気の毒にすら思える11組のカップルたち。
<同棲>って微妙な状況だ。結婚じゃないから別れようと思ったら別れられるけど、イコール引越しもしなくちゃいけないので、結構めんどくさい。
恋愛初期の盲目ぶりもないし、かっこいいところばかり見せられるわけじゃない。むしろ逆。
なのに気付けばまわりは私も含めて同棲してる人がけっこう多い。
25歳っていう中途半端な年齢のせいでもあるだろう。相手をとっかえひっかえするほど恋愛ばっかりにパワーを使うわけでもなくて(まあそんな人も中にはいるけど)わりかしみんな長く続いた恋人がいてでもちょっと結婚は早いかなあとか思っていて、親と同居してるんじゃない限りは生活費削減のためにも一緒に住みましょうか、という展開はわりと普通だ。
一緒に住むと、「ちょっとこれは何とかして欲しいなあ」と思うところがあって、お互い何かを譲り合って生活していく。
それは多分この本の主人公たちと同じようにまわりから見れば「そんな我慢するなら別れればいいのに〜」とか「そんなの我慢のうちにも入んないよ」とか人それぞれだ。
でも「なんかこれは違うよなあ」と思いつつも今日と同じ明日を続けていけるのは、人には言えない甘い部分があるからだと思う。
いろんなマイナス部分を並べてみても一点だけの幸せな部分が別れをとどまらせる。
カップルの片方から見た困った生活をメインに描きながらも、水面下の甘さをにじませた、とてもいい恋愛小説だと思う。
とくに好きなのは彼女が愛想が良すぎてご近所すべてに自分たちの生活を知られてしまってそのことで喧嘩を繰り返すヨウくんの物語のラスト
「ゆるす役かわりばんこにやるしかないだって部屋にはぼくらしかいない、字余り、などと、気づけばまたそんなしょうもないことを口のなかでつぶやいてる。」
やっぱり、この小説は、甘い。


『だりや荘』井上荒野文芸春秋
父母の事故死により閉めていたペンションを再開させるため杏が夫の迅人とともにペンションへ引っ越し、病弱で美しい杏の姉・椿との3人の生活が始まる。姉と夫の不貞を知りながらもそれを許容しようとする杏。3人の目線から語られる穏やかながら緊張感に満ちた生活が徐々にバランスを失いはじめて―。
濃い。
そしてステロタイプだ。病弱で美しい姉、なんて少女マンガみたいじゃないか。
気づくはずがない、とたかをくくってる迅人もアホだし。
どこがいいんだ、こんな男。
一方、アルバイトの翼くんは素敵。「ゾクアガリ」だし料理に詳しいし流れ者だし。
わたしなら躊躇なく翼くんについて沖縄に行くよ?
この構図は何かに似てると思ったら小池真理子の「恋」だ。
もし誰か一人でも抜け出してしまえば壊れてしまう三角関係。
一気には読めたけど、なんだかなあ、という後味の悪い作品だった。