携帯止まってる。

いつものくせで「ほぼ日」を見る。ずっと掲載されている天童荒太のインタビューを見てると以下の内容が。<<「荒太」という名前は、前に小説の主人公に「荒太」という名前をつけようと思ったことがあったからです。結局、その小説は自分でボツにしたのですが、アラタつまりは新た、という意味づけもある名前は気に入っていたので、下の名前は「荒太」にしよう、と思いました。下が「荒太」だと、高橋とか鈴木では、合わないんです。もっと「大きな名字」にしないと釣り合わない。今はもう亡くなっているけど、自分の父親は、字画にうるさい人だったんですよ。>>

うちのじいちゃんは高橋とか鈴木と同じくらい平凡な苗字だったけど…?そんなスケールのでかい名前だったか…。


昼過ぎはドラマ『ウォーターボーイズ』をやはり見てしまう。見てしまうなんて逃げ腰ではなく、「楽しみにして待っていた」というのが近い。しばらく午後3時から動けそうにない。



▼読書
『ラッシュ・ライフ』伊坂幸太郎・新潮社)
昨日から読んでるが、なかなか進まなかったもの。でも予想通り面白かったんだけど。なんか昨日は読書に集中できなかったんだよね。いくつものストーリーが時間差で絡み合うトリッキーな作品。とりあえずこれで伊坂作品は全部読んだな。これもなかなかおもしろかったけど、この人の作品では変人チックなキャラが出てくる作品が一番面白い。『チルドレン』とか『アヒルと鴨と〜』とか『陽気なギャング〜』とか。



『PINK』柴田よしき双葉社
やっぱこの人の作品は集中して読めるな。読みやすいしおもしろいもの。でもちょーっと物語に流されすぎでは…?と思わない点もないけど、おもしろいんだからしょうがない。これは夫の食事の癖がある日変わってしまったことに疑いを持った主人公に、次々と不可解な事件が襲ってくるサスペンス。


『紫のアリス』(柴田よしき/文春文庫)
勢いに乗って柴田作品。こちらも手の込んだサスペンス。偶然ながらどちらの作品も「記憶」がキーワードであったことがおもしろい。この作品では、急に周りで起きはじめた事件が主人公の小学校時代の記憶・「不思議の国のアリス」に結びついているサスペンス。柴田作品は、語り手である主人公自体が不安定であることが多い。だからこそ、サスペンス的要素が高まるんだろうけれども。


『コフィン・ダンサー』ジェフリー・ディーヴァー文芸春秋
リンカーン・ライムシリーズ第二弾。今回の敵は過去二名の警官を含む大人数を殺している証拠を残さない殺し屋<コフィン・ダンサー>。ライムは以前の事件で彼を捕まえられなかったこともあり、やる気十分。この戦いはすごかった。面白すぎ。他の作品同様、リミットが迫っているという設定も読者の集中力を喚起するが、この作品では<ダンサー>とライムがチェス・ゲームのようにお互いを意識し、その出方を想像しさらに出し抜こうと展開するストーリーがたまらない。それに加えてライムとアメリア・サックスとのじれったい恋愛模様もこの作品の魅力の一つ、いやもしかすると半分を占めているかもしれない。前にドラマ「X-File」についてスカリー役のジリアン・アンダーソンがこの作品がコレほどまでに長くヒットした理由について聞かれ、「モルダーとスカリーがお互いのことを意識しながらキスすらしなかったことだと思う」(と言うような感じのこと)を答えてて、なるほどな、と思ったことがある。「純愛」とか「プラトニック」なんて擦り切れた言葉は嫌いだけど、恋愛関係に進みたいと思いながらジリジリしている状態(もちろんその先は進めるだろうという希望を残しての)は、人を惹きつけるんだろう。ま、「X-File」に比べればこの作品はもうちょっとジリジリさせてあげてもよかった気もするけど、リアルな世界ならそう長引かせられるもんでもないもんね。