入稿寸前に我思う。

今月は楽だったなあ。
だけどそれでも校正の日は疲れるのね。

なんとなくこの一週間は毎日適度に仕事していた。睡眠時間が少なくなるということもなく、穏やかだが集中できない日々。
はっきりいって私の仕事は働く日数に対して非常に割りのいい仕事なんである。実際働いてる日数は月に10日間くらいで、そのうち3日くらいは過度な睡眠不足もしくは徹夜。それで同年代のサラリーマンよりプラス10万くらいの収入を得ることが出来る。もちろんフリーの仕事だから、その状態はずっと続くわけではない。明日終わるかもしれないし、実際に今月は先月に比べて半分の仕事しかしていない。当然収入もしかり。
同じ職種で会社に勤めれば収入は減るだろう。だけど、リストラとか自分から辞めたいと思わない限り、きちんと生活できる収入を毎月得ることができるのだ。それに専門職として会社に勤めればスキルアップもできるし、仕事の幅も人脈も広がるだろう。今はまだ若いんだから会社に勤めて、実力がついてからフリーになればいい。
頭の中でそんな考えがよぎることもたまにあるが、それでも仕事があるかぎり、晴れた日も雨の日も時間を気にせず本を読むことができ、時期になれば集中して仕事する、今の状態を辞めることができそうもない。
ちなみにわたしは独学だ。専門の本を読んだりwebで検索したりして、何とか1年やってきた。先月できなかったことが、今月は出来る。今月よりも来月はもっといろんなことができるかもしれない。そういうのは楽しい。
それを許してくれている周りにも感謝。


▼テレビ
光とともに…
ついに最終回。ぼろぼろと泣いてしまいました。わかってても泣いちゃうんだね。これが。いやー、久しぶりにいいドラマ見たなあ。ほぼ毎回泣かされたメリハリのあるストーリーもよかったけど、キャスティングが最高!小林聡美篠原涼子って地味っぽいダブル主演が大当たりですよ。それにしても篠原涼子って意外にどんな役どころもこなせる女優になってきたなあ。お高くとまってそうにも見えるし、バカっぽくも見えるし(こっちのほうが似合うけど)、普通にも見えるし。使いでのある女優って重宝されるだろうな。


▼読書
『ファイアーボール・ブルース2』(桐野夏生・文春文庫)
異色の女子プロレスシリーズ。ちなみに2冊で終わりらしい。一作目ほどに大きな事件などないものの、主人公をはじめとする選手たちの心のうちがしっかりと描かれていて、読ませる。桐野さんはこないだ「徹子の部屋」に出ていた。しゃべるところをはじめてみたような気がする。大体村上龍とか一部の人を除いて作家なんてテレビで見ることはないしな。桐野さんは気品漂うハスキーボイスと魔女ちっくな顔立ちで、「なんかわからんけどやっぱすげえ!」って思わされる感じの人だった。にもかかわらず徹子は「普通の主婦から作家になった」ってとこを異常に強調し(エドガー・アラン・ポー賞にノミネートされた『OUT』も主婦が主人公であったこともさらに強調、ついでに自著の『窓際のトットちゃん』どれだけ売れたのかも)、「今ご覧になってる主婦の方々も桐野さんのようにお書きになってみればいいのでは」などと言っていて、笑ってしまった。いいね、徹子。ばあちゃんが近所でも悪がきといわれる孫に向かって「あんたはかしこいから、お医者でも先生にもなれるよ」というがごとくのおおらかさで、主婦を丸め込むのである。徹子ばあちゃん、恐るべし。


そのほか古本屋で買った群ようこの本を二冊。『雀の猫まくら』と『都立桃耳高校 放課後ハードロック!』(どちらも新潮文庫
ちなみにどちらも読んだことあるが、いつのまにか手元を離れていたもの。群ようこはわたしの再読率ベストスリーに入る作家である。ちなみに他の二人は山田詠美田辺聖子。この3人の本は1年とか2年とかのサイクルで必ず集中して何冊も読み返したくなるのである。うち山田詠美はほとんど単行本で持ってるのだが、他の二人は文庫本が主で、しかもその数が異常に多いので、これまでの引越しの中で古本屋に売られる確率もそうとうに高いのだ。それでも「群ようこ読み返し期」や「田辺聖子読み返し期」になると古本屋で買いあさってしまうのだ。またこの二人の本は古本屋に多いのだ(ちなみに再読率ベストテンに入る森曜子も)。読みたくなったらいつでもまた手に入る、という安心感から売っちゃうのかもしれないな。ただ単に古本屋に貢献してるだけ、って話でもあるけれども。