ゴールド

ゴールデンウィークって何のためにあるんだよ。普通に連休と言ってしまってはだめなの?何がゴールデンだよ。そんなにゴールドか?金色か?ええ、ええ、つい一週間前にテレビで紹介されてた千葉の回転寿司に行ってきましたよ。人が並んでたからあっさり帰ってきましたよ。小市民の楽しみか?ばかめ。二度と県境は越えないぞ。



4日はA子が遊びに来る。当初の予定ではソフトの使い方など教える予定だったが、なんだかんだと時間が遅くなり、めんどうになったので、同居人のYと三人でだらだらとテレビを見る。何かのクイズ番組(金額を当てるやつ、島田シンスケ司会)でフードライターの仕事ぶりと生活を追っていた。そこで500字くらいの仕事を与えられた新人ライターが編集部で何度もダメだしされ、3日も編集部にこもるというシーンがあった。普通の編集部というのはこんなに時間をかけてフリーの新人ライターを教育するものだろうか。親切ねー。しかしこの新人、カレー味のスープを出す店紹介で見出し「カレー味のスープ」って!!そりゃ三日もいじめられるわ…。



3日はだらだらして部屋の掃除をして終わる。夜に今さら「木更津キャッツアイ」のDVDを最後まで見る。クドウ作品(ドラマ)では一番好きかも。



『きものって、楽しい!』(平野恵理子・二見書房)
タイトルに句読点を入れるのは好きじゃない。でも許す。中身は超キュート。あー着物着た生活したいわー、と乗りやすいわたしを簡単に乗せる一冊。ついでに別冊太陽とかのアンティーク着物のムック本も買ったし、ほぼ毎日ヤフオク銘仙とか探してるし、すでに乗せられてる?



『ボーイズ・ビー』(桂望実小学館
タイトルひねりなし!しかし扉のタイトルは(ありがちだけど)それっぽくつぶした感じが似合ってる。
イタリアに憧れるへんこつで人嫌いな靴職人のじじい栄造、そして早すぎる母の死を受け入れられない小さな弟を心配する小学生の隼人。二人の人生がそっと交差するみじかい時間を描いたもの。
おもしろい。人物設定もエピソードひとつひとつも心をつかむようにうまい。だけど全体的にうすーく、ラストにドドンと雰囲気に流された安易なストーリー運びが、惜しい。致命的とも言うべきか。もう一歩突き放したものを期待したい。




2日、ぼんやりと森下の古着屋に向かって歩く。その途中、のらくろーどにある小さな本屋さんに寄る。ここが品揃えがとってもよい。ハードカバーの棚なんて小さな二つだけなのに、話題作をきちんと押さえてある。それにお客さん(常連客が多い)への対応がすこぶるいい。近所のおばさんと店員の会話。客「これ、一番新しいやつよね?」店員「そうです。だけど、明後日に新しいのが出ますよ」客「じゃあそっちを買ったほうがいいわね」店員「そうですね」客「じゃあ、明後日、また来るわね」その横で、店長と思われるおじさんが弱小出版社と思われる版元の本についておばさんに聞かれて困ってる。店長「いやーねえ、付き合いのない出版社だから詳しくはわからないけどねえ、どっちにしろゴールデンウィークに入っちゃって休みだろうから、すぐには入らないと思うし…」客「送料とかかかるでしょ?だから近くの本屋さんで注文してもらったほうがいいですよ…っていわれたんだけど…やっぱむりかしらねえ?」店長「ほんと付き合いない出版社だからなあ…ちょっと電話してみるよ」…「もしもし、書店ですけど、おたくの○○○って本を探してるお客さんがいるんですけど…ハア…うちの取次ぎは使えるんですね?じゃあ、それで注文したいんですけど…」(客のおばさんに向き直って)「一冊でいいんですか?」客「いえ、34冊です」
せっかく連休にもかかわらず出版社に社員がいたにもかかわらず、34冊ともなってしまえば、結局、おばさんの手元に届くのは一週間くらいあとになるようだった。
あれだけいい品揃えをしている本屋の店長が首をかしげる出版社だ…かなりの弱小だろう。わたしもそんなところに勤めてたことがあるから、わかる。一冊や二冊ならすぐに出せるが、そんな大注文となると倉庫をひっくり返さなければいけないのだ。在庫はあると思いますけど…というあいまいな答えも弱小出版社ならでは。きちんとした数を把握してないのだ。マイナー出版社の本を30冊以上まとめて町の10坪ほどの本屋に注文しに来たおばさん、きっちり調べた本屋の店長さん、世間が休みの中終わらない仕事を片付けていたら在庫調べの仕事が増えた出版社の社員……
おもしろすぎ。なんとかこの書店を通じておばさんに本が届くといいなあ、こんなときに本の流通に感謝してしまう。


その本屋のある商店街を抜けて、こないだ車から見つけた古着屋へ。アメリカ人のように金髪にしたおじさんが店長の店。え?というような服も置いてるけど、可愛いものも多い。とくに雑貨はかわいい。店も意外に広いし。悩んでTシャツと肩掛けバッグ(あわせて3000円ほど)を購入。

帰りはおなかがすいたのでコンビニで買った肉まんを食べながらのらくろーどを再び歩く。独りの楽しい休日。