のだめカンタービレ完結!

のだめカンタービレ(23) (KC KISS)

のだめカンタービレ(23) (KC KISS)

ついに終わっちゃいましたね〜。というわけで改めて1巻から読み直してみました。そして読み直す、というか読み通す価値が本当にありましたね。
正直、パリ編からは展開が小刻みでどこかとっちらかった印象が強く、わかりやすくも勢いのあった国内篇に比べるとイマイチな印象があったのだけど、読み返すとがらりと印象が変わりました。
なんのひねりもないけど、国内篇はまだ個人練習の域を出ず、そしてパリ篇がオーケストラだったような。くっきり別れてるわけじゃないけど、なんとなくそう感じた。
国内篇は主人公ののだめに代表されるように、個人個人が本気で音楽と向かい合って行く覚悟があるのかという揺らぎがひとつのテーマであったのに対し、パリ編では、覚悟を決めたはずも更に高い壁の存在を知ってもがき苦しむ若い音楽家たちの苦悩が描かれる。そしてその苦悩は音楽を続ける限りずっと続くんだろう。そして同じように、楽しい音楽の時間も。それぞれの苦悩も楽しみも、響きあって互いに成長する。
ずっと続くんだ、というラストが良い。千秋とのだめのコンチェルトが最後まで実現しなかったのも、逆に良い。これから、何度でも二人は共演出来るだろう。簡単にシュトレーゼマンを超えられなくても、互いに切磋琢磨しながらきっといつかは最高の演奏が出来る、気がする。
そしてのだめと千秋の関係も。最初のころこそ常識人と変態の対立関係が目立ってたけど、結局どっちもトラウマありの変人音楽家。どう考えても上手くいくはずもない二人だけど、何度でも相手の才能に惚れ直すなんて、やっぱり羨ましい関係なのだ。
番外編などがこれから出るようなので楽しみ。千秋&のだめ&ライジングスターの共演なんてスペシャルコラボを期待してしまいます☆